2011年6月5日

第8次:5月29日(日)~6月2日(木) 陸前高田市、大槌町の9か所でゴスペルコンサート

アガペーCGNでは、第一陣から「物資支援」「泥かき」「家のがれきの撤去」などをいくつかのチームに分かれて行ってきましたが、徐々にニーズが変わってきており、最近では、「炊き出し」「散髪」「ゴスペルコンサート」などの希望が増えてきました。

そこで、今回は、世界的なサックス奏者の日比野則彦さんと、プロのギターリストのNさんによる素敵な音楽を被災地に届けさせていただきました。ちなみに、陸前高田市と大槌町(おおつちちょう)では、体育館は物資倉庫か教室、運動場は仮設住宅か駐車場というのが一般的です。

訪問先もいろいろで、幼稚園、小学校、中学校、老人ホーム・・・幅広い年代の方々に届けることができました。もちろん、訪問先によって選曲も変えました。ただし、アメージンググレースの由来を説明したうえで、それだけはどこであっても歌いました。事前に代表者の方と連絡をとってリクエスト曲を伺い、アガペーCGNと演奏者についてのプロフィールと共に詳細を各代表に郵送でお届けしました。

30日(月)は陸前高田市の「小学校」と「中学校」を訪問しました。


訪問先では、どこでも写真のように歓迎されているのがよく伝わってきました。



小学校では、5・6年生が元気いっぱいに歌ってくれ、すごく盛り上がりました。中学校では、落ち着いた感じで、きれいな歌声で歌ってくれました。どこででも共通しているのは、日比野さんのCDのプレゼントタイムです。「このCDはまだ日本では販売されていません。海外でのみ販売されているものです。これを聞くとよく寝れます。普段なかなか寝れない人手を挙げて~」というと、どこでもほぼ全員が手を挙げていました。先生方は、いつもよく寝ている子たちまでが勢いよく「は~いは~い」と元気よく手を挙げる様子に笑っておられましたが、みんなよほどCDがほしかったようです。その後に、「陸前高田キリスト教会」でコンサートと交わりの時をもたせていただきました。


31日(火)と1日(水)は大槌町でのコンサートでした。
31日(火)は、「幼稚園」と「小学校」と「公園」でコンサートをさせていただきました。



幼稚園では、自分たちだけがあの有名な日比野さんのコンサートを聴くのは申し訳ない・・とおっしゃり、他の幼稚園にも声をかけてくださったために約100人の幼稚園児と職員と保護者が共に恵みを分かち合えました。元気いっぱいの子供たちでした。園長先生は、あまりにも感動し、涙涙でした。自分たちがこんなにも愛されていることを今回の震災を通して痛く知ったようです。






次に訪問した小学校では、1つの学校の中に4つの小学校が入っていました。震災前には大槌町には7つの小中学校がありましたが、そのうち5校が使用できなくなりました。そこで、震災の被害がそれほどなかった2つの学校と他の施設を利用しての学校運営となっています。そのため、全員が集まれる場所がなく、昼休み時間に、300名ほどが入れるホールで演奏をさせていただきました。希望者だけでしたが、多くの子供たちがやってきました。演奏後には、「サイン」「サイン」「サインください」と大騒ぎでした。一枚しかないであろう、体操服や制服にマジックで演奏者のサインをもらっていました。わずか、20分の演奏でしたが、確実に心に届いたようです。



公園では、在宅避難者の方々と近くの幼稚園児たちが100名ほど来てくれました。公園に来られた方からは「1時間いい音楽を聞いたから2時間優しくなれそうです。でも、2時間過ぎたらまた聞かないとイライラしてしまうかも・・・。また来てくださいね。」と笑っておられました。その方にCDを渡すとすごく喜ばれました。

1日(水)には、「高齢者のグループホーム」と「小学校」を訪問してきました。



グループホームでは、「青い山脈」や「故郷」などに涙を流しながら耳傾けておられました。30人程の利用者の方々と職員に加えて、地域の方が20人程来てくださいました。それにもかわらず代表の方が、「こんなに素敵な音楽をもっと多くの人に聞いてほしい。小さな施設でごめんなさいね。」とおっしゃるので、「いえいえ、ここで演奏できて本当にうれしかったです。私たちは、多くのボランティアや芸能人たちが出入りする目立つ避難所ではなく、なかなか支援が届いていないようなところに心を届けることが、使命であり、喜びですのでこれからも来させてください。」と申しますと、涙を流して「そうなんです。大きな避難所に行けば、週末にもなればいろいろなイベントがありますが、みんなで動けないので今まで聞くことができませんでした。今日は癒されました。ありがとうございます。」とおっしゃられました。




最後に訪問した小学校は、被害がもっとも大きかった小学校であり、避難所も学校も最も山奥にありました。実は、大槌町の最も中心部にあった小学校にもかかわらず、大槌町ではなく、隣町の施設の中に他の学校と一緒にありました・・・。そんな中でも、子供たちは、元気いっぱいでした。当初コンサートは1年2年3年生だけの予定でしたが、急きょ5年生も聞きに来てくれました。低学年は、大きな声で「アンパンマン」や「さんぽ」などを全身で歌ってくれました。その姿を見て、先生方が涙を流しておられました・・・。高学年や一部の先生たちからは初めは、心の壁が感じられたのですが、曲が進んでいくうちに空気が変わってきました。暗かった表情が、涙になり、涙が笑顔になってきました。

今回、やはり音楽はいいな~と思いました。難しいことを言わなくても、言葉を超えて人々の心に癒しが届いていきます。子供たちの喜ぶ姿に大人も元気づけられ、癒されていくようです。それを目撃できた恵みに感謝です。

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