2012年1月30日

第27次:1月22日(日)~26日(木) 陸前高田市、大槌町、釜石市

年が明け、随分寒い日が続いています。


岩手県の海沿いは内陸部と比べると暖かい気候のようですが、それでも、この寒さのために大槌町も雪が積もり、連日最低気温は、零下でした。この時期は積雪や、道路の凍結などのために屋外の工事はほとんど見られませんでした。今回は、「雪かき」「氷取り」の必要がないときには、「依頼のある建物内の泥だし」「仮設からご自身の修理した家への引っ越しの手伝い」をすることになっていましたが、日本列島が大寒波に覆われた時期でもあり、ニーズに応じて「氷取り」をさせていただきました。雪も積もっていたのですが、あちこちアイスバーンになっていて非常に危なくなっています。ただでさえ働き人が少ないこの時期に、雪のためにさらにボランティアが一時の10分の1以下に激減しており、たいそう喜ばれました。今回大槌町でボランティアを登録したのは、初日のボランティアは、別のグループとアガペーCGNだけで、翌日は、なんとアガペーCGNだけでした。そういう中でしたので、どこに顔を出しても大喜びしてくださいました。


1月22日(日)  東京都 → 一関市   東京でも寒い日でした・・・。

午後1時半  派遣の祈り。現地のために、代表で現地に向かってくれる人たちのために、お祈りの時をもちました。途中、那須高原SAで休憩、長者原SAで夕食。車の中からは、もちろん雪景色が・・・。

岩手県一関市で買い出し(できるだけ現地でお金を使うようにしています)をして、一関の拠点に到着。



1月23日(月)  一関市 → 陸前高田市 → 大槌町 → 大船渡市

6時30分に起床

7時30分に一関出発。最近では、大槌町に行くのに陸前高田経由の道を選んでいましたが、ループ峡の凍結の可能性を考えて、遠回りにはなりますが安全を優先して気仙沼経由で45号線を北上しました。

10時頃に陸前高田市の「希望の一本松」に到着。復興を願ってお祈りの時をもちました。



その後、陸前高田キリスト教会の森田先生を訪問しました。雪のシーズンを迎え「道路状況」や「市の復興状況」などを伺い、共に祈りの時をもたせていただきました。津波の被害をまともに受けた地域は、日ごとに更地の面積が増えていきますが、その先の復興計画はなかなか思うようには進まないようです。一方で、大量のゴミの処理にも時間がかかっていますが、少しずつですが確かに片付いている(復興に向っている)のが見えました。


 

午後、釜石市のマイヤで買い出しをし、大槌へ。

14時頃大槌町に到着し、最近では毎回のように立ち寄るA仮設の代表のBさんに「みなさんで集まった時にでも食べてください」とみかんをお渡しすると喜んでくださいました。Bさんは、「仮設の最高齢は90歳を超えているが、ここの仮設の人たちは割合行事には積極的で、今まで孤独死をするような人はいない」とおっしゃる一方で、「この仮設若い者はほとんどいない。ほとんど高齢者ばっかり。」「かつては、この地域には子どもも含め多くの人が住んできたが、今ではこの地区に100名ほどしか住んでいない。随分人が減ってしまった。」「どうしても、ひきこもりがちになる傾向があり、皆色々話しをする相手を求めている」と心の内を打ち明けてくださいました。また「昨年はキリスト教を始め、宗教関係の多くのボランティアが来てくださった。イスラムの方やパレスチナの団体まで来てくれたよ。驚くことに、時には、イスラエルとパレスチナが一緒にやることもあったんだよ。宗教嫌いの人も中にはいたが、だいぶ変ってきたよ」とのことです。アガペーCGNもキリストの精神で行っていますが、他の地域で、仏教の方と一緒にお手伝いさせていただいたことも何度かあります。宗教を超え、「復興」「一人のためでもいいから、誰かの希望、力のきっかけになれたら」という同じ目標に向かうとき、それぞれにできることを精一杯させていただくことで、個人・地域に「愛の奇跡」が起こるようです。


次に近くの保育園を訪ね、おやつ用にとお菓子をお渡しすると丁度おやつの時間でした!今回の参加メンバーの中にヴァイオリンを弾ける青年がいたので、3曲ほど演奏させていただきました。突然やってきたステキなお兄さんを子どもたちはとても喜んでくれ、特に忍玉乱太郎のテーマソングは一緒に歌う子どもたちもいて盛り上がりました。


また、C仮設の代表の方を訪問したときには、「3月11日には町役場の方で慰霊祭をやるだろうが、町内の行事でも、年配者は足が悪い人が多いし、車がないし、あそこまで行けない。ここ(仮設)で14時46分に黙とうは出来るが、あとは何をすればよいかわからない。ボランティアの人が来て何かしてくれればありがたい」という声もありました。「11日は釜石に先約がありますが、10日土曜日に大槌に来る計画を持っていますよ」と伝えると、「是非来てください」とのことでした。そういえば・・・私たちが昨年2回の和太鼓の公演を20カ所ほどでさせていただきましたが、その時にも、多くの高齢者の方は、「ずっと大槌に住んでいるけど、町までは歩いていくには遠いし、毎年秋に和太鼓をたたいているようだが、見たことない。初めて見た。感動した!」と言ってくれる方が確かに多かったです。

途中買い出しをして、大船渡市の宿に向かいました。




1月24日(火)  大船渡市 → 大槌町 → 大船渡市

6時半起床
8時前 出発  すごい雪です・・・。太陽が照ると暖かいですが、見事な雪景色です。


9時 大槌町のY商店で昼食用のおにぎりをお願いしました。「給食(弁当)の配達」などの仕込みで忙しくしておられたが、私たちの姿を見ると喜んでくださって、おいしいおにぎりをにぎってくださいました。しかも、お惣菜もつけて下さいました。明日の昼食用のおにぎりもお願いして、大槌町ボランティアセンターに向かいました。ボラセンに行くにも道が凍っていてすごく運転が難しかったです・・・。



4名は「氷取り」ボランティアの現場に、一人は数カ所の訪問に向かいました。

通学路の「雪かき」ならぬ「氷取り」ということで、ローソンから運動公園(仮設校舎)への約1.5キロメートル歩道の氷かきをさせていただきました。一面、氷でガチガチに凍っており、非常に危険な歩道となっていました(写真は、ほとんど終わってからのものです)。この日は寒いうえに風もあり、力と根気と集中力の必要なきつい作業でしたが、風邪をひく者も、怪我をする者もおらず、皆守られました。朝に道路の電光掲示板を見た時点で「-5℃」、日中も0℃以上は上がらないという実に寒い一日でした・・・。しかも、谷になっているために、日陰で、風もあり、帽子を深く被い、軍手を二重にして作業を行いました。歩道両サイドの「固まった氷」はスコップでガンガン叩き割るだけでは取れないので、他の道具も合わせて作業をし、500メートル程を「除雪」及び「氷取り」をして、午前中の作業を終えて休憩となりました。午後も1時から再開しましたが、かなり冷たい風が吹き続いていたため苦戦しましたが、祈りつつ、歌いつつ楽しく作業を行いました。そして、もう一つ別のグループも反対側から作業を進めていたため、ほぼきれいになった歩道を見て、『これで子ども達も安全に通学できる。良かった。』と思い、うれしかったです。


3時過ぎに「氷取りチーム」と「訪問チーム」と合流して、いつも給油するガソリンスタンドで給油。しばしお話させていただきましたが、いつも私たちが、訪問するのをすごく楽しみにされておられます。ボランティアが減ってきているので、同じ顔を繰り返し見せてくれることは心底うれしいようです!


その後、いつもお世話になっている地域数カ所をみんなで訪問。「また来てくれたの?」「待ってたよ☆」「あっ~あ~あ~うわ~(歓声のみ)。会えた!!!」「アガペーさんだ☆」・・・どこに行っても、顔を見せるだけで本当に喜んでくださいます。みなさんから預かってきた「防寒着」や「毛布」などをお渡しすると、大変喜んでもらって下さいました。お話の中で「三陸は雪こそ多くはないが寒さは厳しく、仮設の大変さ、交通の便の悪さもあり、どうしてもひきこもりになりがちになるんですよね。できるだけそうならないようにお互いに声をかけ合うようにしていますが、自分たちだけで全員に届くわけに行かないから、ボランティアの力も貸してほしい」と切願されました。また、「お店は増えてきたのでお金さえあれば買い物自体は困らないが、病院も仮設で設備がなく、釜石まで行かなければならないことも多くて不便している」との事でした。



午後6時過ぎ 大船渡市で買い出しをして、宿に向いました。




1月25日(水)  大船渡市 → 大槌町 → 大船渡市

6時半起床 
8時前 朝から雪で、どこも真っ白の積雪。零下の中でウォッシャー液はちゃんとした不凍液を使わないとフロントガラスがすぐに凍結して見えなくなります・・・注意が必要!地元車もゆっくり運転で釜石付近では大渋滞でした。


 9時過ぎ Y商店に到着し、昨日注文しておいたお昼のおにぎり弁当を購入。

9時半ごろ ボランティアセンターに到着。当初、今日は引越しの手伝いということでした。最近、半壊の自宅が修復され仮設から自宅に引っ越す人が出てきているということでした。しかし、緊急性に応じて、前日同様「除雪」と「氷取り」の続きになりました。昨日同様、一人は数カ所の訪問、4名は現場に行って「氷取り」ボランティアにとりかかりました。昨日よりは風がないので、坂道で山の日陰になっている場所の通学路を中心に作業することになりました。融雪剤をまいたり、根気強く地面に張り付いている氷をガシガシ削り続けて、昨日と同じような時間で、ようやく歩道の雪と氷を取り除いて安全に通れるようにできました。


3時過ぎに5人が合流し、数日前に仮設園舎に引っ越しされたばかりのD幼稚園を訪問しました。突然の訪問にすごく喜んでくださいました。

その訪問からの帰り道が今朝作業した道だったのですが・・・「あの道」を学校帰りの小学生達が氷取りした歩道を楽しそうに歩いているのを見かけて、自分たちの今日の作業がこうして地域の役に立った事を見ることができてとても嬉しく、冷たい思いをして重労働したことも吹っ飛んでいきました。

大槌にはローソン横のショッピングセンターのマストが営業を再開しており、その中にはMAIYA(食料品、衣料品、靴など)やホーマック(ホームセンター)やキャッシュコーナーなどが入っていました。


さらにE幼稚園、Fグループホームなど5カ所ほど訪問させていただきました。やはり、皆さん大歓迎して下さいます。



 夕方、大槌町を出発し、大船渡市の宿に向かいました。




1月26日(木)  大船渡市 → 大槌町 → 釜石市 → 東京

6時半起床
8時前に出発し、大槌町、釜石市で数件訪問後、東和インターから入り帰路へ。途中、東北道前沢インターで昼食。

18時半 教会到着。

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