2018年4月25日

第85次:2018年4月15日(日)~19日(木) 岩手県大槌町

今回は、大槌での公演が6回目のゴスペル・マジックと、2回目の腹話術(キラちゃん)の公演と各所訪問で、現地チームと共にあちこちに愛と喜びの配達をさせて頂きました。


<4月15日(日)>

12時半に新宿を出発し、道中で「腹話術」と「マジック(手品)」のゲスト2人とキラちゃん(人形)と合流し、一路、大船渡市の宿へ。宿には21時半頃に到着。


<4月16日(月)>

7時に宿を出発し、大船渡の市場を見学してから、大槌町に入りました。

9時に1公演目のA幼稚園に到着。園児だけでなく、親御さんも多数来て下さいました。「腹話術&マジック」に、「ワ~ッ」とビックリして、大笑いして・・・食い入るようにして大人も子どもも見てくれました。アッという間の1時間でした。バスの運転手のBさんや、地元のCさんの手品も大好評でした。翌日になっても、鳩のマジックや、腹話術のキラちゃん(5歳)のことなどを覚えており、家族や先生たちにお話していたようです。よほど印象に残ったようです。








昼食は「お母さん」のところで食べました。話したいことは山ほどあるのに、何から話したら良いのかわからず・・・でも、お互いに元気そうな顔を見るだけでホッとしたようです。


その後、毎回必ず上る城山の高台まで行くと、桜が満開でした。まだまだかさ上げのための盛土の段階(工事中)です。「復興住宅に住んでいても、外に洗濯が干せない。いつまで工事が続くのかな~。でも、我慢我慢。仕方がない・・」心の内を話して下さる方がおられます。



その後、Dガソリンスタンドを訪問。いつもの満面の笑みでお出迎えくださり、お元気そうでした。それにしても、毎回、道が大幅に変わっており、建物も増えており、景色が変わるので、なかなか探し当てることができずに、電話誘導での訪問となりました。

14時からはE高齢者ディサービスで45分間の「腹話術&手品」でした。いつもは、反応が少ないような方も、「すごいね!」「ほ~ぅ」「なかなかやるね」「え~っ?」と反応しておられました。腹話術のキラちゃんも「可愛いね!こっちにおいで!」と大人気でした。職員たちも大喜びでした。





そして、16時前にF学童に移動し、45分間の「腹話術&マジック」に備えました。普段は、一つのことで皆と楽しい時を過ごすのが難しいことが多いようですが、さすがに、今回は全身が「目」になったかのように、どの子も真剣に公演に見いっていました。子どもたちの素直な、驚きの顔が、すごく新鮮でした。終了しても、「鳩に触りたい」と子ども達が集まってきました。現地チームとの呼吸もぴったりでした。






早めの夕食を仮設の宿で食べました。ホヤを食べたら「絆」の文字が見えました。女将が発信のさけ餃子も美味しかったです。どれもこれも愛情がこもっており美味しかったです!




その後、「(仮設住宅時代から)新居を建てたら来てね!」とずっと言って下さっていたGさんのお宅を訪問できました。初期のころからずっとの付き合いでしたが、半年たってようやくの訪問でした。震災からの話であっという間に時間が過ぎました。



<4月17日(火)>

6時半朝食。7時半に宿を出発し、まずは、H商店へ。店長はいつも通り店番をされており、再会を喜び合いました。


その後、30分弱、8年目にして初めての大ヶ口の桜の通り抜けを堪能しました。こんなに早い時間に個人宅や施設を訪問するわけにいかず、主の造られた大自然を味わいました。









その後、預かってきたものを配達するために港と、浪板の数軒を訪問。町中、工事トラックがまだまだたくさん走っています。JRの線路と駅の工事も行われていました。踏切には、「休止中」の看板がかかっていました。





震災前からあったもので、震災後には以前にも増してテレビなどに取り上げられている話題の「風の電話」に今回初めて訪問できました。地元の人に「大槌の観光スポットはどこですか?」と今回何人かの方に聞いてみましたが、「ひょっこりひょうたん島」に次いで「風の電話」は第2位でした。心の癒しのために個人宅を開放しておられ、大きな庭園と、線のつながっていない電話ボックスと、まったりとした緊張感が全くない空間がありました。ここの話は、絵本や本にもなっています。





その後、別の方を訪問したのですが、アガペーCGNの車を見て、近所から来て下さる方もおり、徒歩で15分以上離れた場所に住んでいるけど、たまたま通りがかったらアガペーさんの車が見たから入って来られる方もおられ・・・元々は同じ仮設住宅に住んでいたのに、今では、会うことも話すこともなくなった人たちの同窓会(?)となりました。腹話術とマジックも楽しみ、2時間があっという間に過ぎました。「おやつ」にホタテをゆでてくれました・・・。キラちゃん(腹話術の人形)は、Iばあちゃんから「私の作ったものですが、よろしかったらどうぞ」と素敵なブローチを頂いていました。キラちゃんは大喜びでした。





昼食は、「お母さん」のところで。食後には「腹話術&マジック」のミニ版を披露させて頂きました。お母さんたちの豪快な笑いに私たちも元気をもらいました。



13時からは、地元の人たちと11人で「アガペー農園」でじゃがいもを植えました。耕運機で土を耕し、畝をつくり、「ベコ(牛)の堆肥」や肥料をまき、じゃがいもを植え、土をかぶせて・・・3時間の作業でした。途中の休憩に、地元の人たちの要望に応え、キラちゃんが登場し、皆さん大笑いをされていました。いつものことですが、海でも、山でも、畑でも・・・必要でしたらどこでも公演致します(笑)。







作業後は、いつものJハウス(仮設住宅集会場)に立ち寄ると、次は、「鳩だし」のマジックのリクエストにお応えして、手品のミニ公演が行われました。皆さんの笑顔が素敵でした。


夕食は宿で食べ、その後、「たとえ女将と大将のためのだけでも」と「腹話術&マジック」のミニ公演をさせて頂きました。常連さんも鑑賞して下さり大変喜んで下さり良かったです。




なんと、女将が私たちのために、「亀パン」を特別にこっそり焼いてくれていました!感動しました!!!しかも、美味しかったです!一匹一匹表情も違い、すごく可愛かったです。メロンパンのようなものですが、とにかく絶品です!



<4月18日(水)>

朝6時半食事。7時半に宿を出発しようとしたら女将が「お腹すいたら食べてね」とおやつを一人ひとりに持たせてくれました。またしても感動しました。


現地チームの子どもたちも元気に登校していました!


その後、今年の3月11日に新しく建てられた「東日本大震災大津波記念碑」を見に行きました。記念碑には、この地域の被害の様子と「ぼくらはくじけない、そして、あの日を忘れない」「急告!地震が発生したら高台に避難せよ」と書かれており、「里帰りの桜」が植樹されていました。





その後、港でK一家を訪問。いつもながら仕事に励んでおられました。




11時からのK自治会館での公演の準備に、向かうが・・・あまりにも道が変わっており、全く方向も分からず5分間迷子になり、工事のおじさんに聞いて、ようやく解決。旧小学校は完全に解体され、桜の木も全て根こそぎ抜かれ、盛土の大工事中・・・。ここが小学校の跡地だと分かると、他の場所の位置関係が分かります。それにしても、地元の人たちも「町内でよく迷子になる」という話を聞きますが、納得できます。最後の桜祭りのゲストにアガペーCGNから2人(演歌とゴスペル)のゲストを連れて行きましたが・・・あまりの変りように、地元チームの人も言葉が出ませんでした。昔から生まれ育ってきた人たちには、『もっと複雑な思いんだんだろうな』と容易に推測できます。



会場にようやく到着し、段取りよくセッティングができると(開始までまだ90分あった)、一人の隊員と、現地チームの一人は、半年前から誘われていたソフトボールの定期練習にようやく顔を出せる可能性が出てきました。しかし、グラウンドが見えているのに、あっちもこっちも盛土の工事続きで、川をはさんだ反対側に行けない現実。電話で、確認するものの「目印になるものがない」とのこと・・・。盛土ばかりで、確かに周りには何もないのです。「役場前から?」「マスト側から?」・・・数分たって相手から出てきたヒントが「セブンイレブンを曲がる!その後は、標示通りに来ればよい」でした。でも、このヒントで隊員も、地元チームの方もすぐに「あそこだ!」と理解できました。セブンイレブンと言えば・・・その付近には一つしかない・・・(笑)。その後は、そびえる盛土と何メートルにもなる巨大な雑草の中を通り抜けて、手書きの小さな「グラウンド」という高所の標示を頼りに、10分程、狭く、工事車両も行きかう道を進むと、突如「カキーン」というバッティングの音と姿が見えました。道中に、「JR大槌駅」のホームの工事もされていました。無事、隊員も練習に参加させて頂けました。




K自治会館に10時35分に戻り、皆で祈って備えました。終始驚きと笑いと拍手喝さいと笑いで会場は満ちました。「また来てください」と多くの人たちから何度も言って頂きました。地元チームのM先生も大活躍でした。





次の会場に行くときに見えたL地域の避難路・・・。


次は14時から1時間の公演でした。開始100分前に到着しているのに、10名程の方が、私たちの到着を今か今かと玄関で待って下さっていました。皆さんの期待感が伝わってきました。以前にも数回訪問済みで、「この前は、鳩が出て来て~」としっかりと覚えておられてうれしかったです。新しいネタも複数用意しており良かったです。






神山みささんの「また会う日まで」を何度も聞き続け、陸前高田市まで移動。それぞれに大槌での出会いを思い起こし、不思議に聖なる無言の祈りの時が続きました。

♪ 君と出会えて良かった 本当の心に出会えたんだ ~
  会いたくても 会えなくても またいつか会える日まで 頑張って行けるよね
  愛の光が 君の心に いつまでも どんなときも 照らし続けますように ~♪


陸前高田キリスト教会に着くと、まずは近所の方と再会を喜び合い、「もしよかったら45分ほどしたら~腹話術とマジックを~」と声をかけてみました。キラちゃんと一緒にまわったのですが、「どこに行っても、本物の子どもさんと思った」と大笑い。ここは、近所の人には事前の予約をしなかったので誰も来なくても仕方がないと思いましたが、なんと12名も来て下さいました。私たちが訪問するときにはふっていた小雨も、荷下ろし、荷積み、皆さんが来られる時には止んでおり、感謝でした。地域の事情にもよるでしょうが、この地域は、住んでいる方の健康状態も変わり、地元の方のアドバイスでこのような誘い方となりました。再会できた人たちとその後のお茶っこもお互いに楽しい時を過ごせたようです。









20時半に祈って解散。さすがに連日の疲れもあり、翌朝に備えて早く寝ました。

<4月19日(木)>

この時期は、定置網の漁がないので、代わりに朝焼けと日の出(予報では4時43分)が見たくて、早起きをしました。こんなにも美しく万物をつくられた主に感動しました。普段は本当に静かな湾です。穏やかな海です。しかし、ここに津波が来たというのが事実です・・・。





6時半に朝食を食べ、7時半には宿を出発し、休憩しながら一路東京へ。今まで訪問したことのない「碁石海岸」も帰り道の途上でしたので、立ち寄りました。何の知識もないままに、行きましたが、疲れた身体がリフレッシュしました。本当に、こんな素晴らしい被造物をつくられたお方は素晴らしい!海に映る太陽の照り返しもすごくきれいでした。ほぼ一人の運転でしたので、休憩をしつつの帰路です。










一ノ関の「空飛ぶだんご」も休憩に立ち寄りました。テレビなどにも多数放映されているので有名になりましたが、大きな川をはさんで、ロープが吊るされています。川向う(下)から、かごにお金を入れて、板を叩くと、上から見ている店の人がロープを引き揚げ、お金を受け取り、商品とお茶をかごに入れておろします。ひっきりなしにお客さんが来ていました。外国からの訪問の場合には、かごにその国の旗を立て、国家を流し、「友好」の手紙を添えるといったサービス精神。実は2度目の訪問でしたが、前回も、数曲ゴスペルを歌わせて頂き、今回も、手品と腹話術のミニミニ公演を急きょさせて頂け、大変喜んで頂けました☆85回目の復興支援であることを知り、大将たちは前回も今回も涙を浮かべて、「ありがとう!」と何度も言ってくださいました。







「『忘れていませんよ』と一度訪問したことがある人がもう一度訪問する復興支援」だけではなく、「見る(観光)復興支援」「食べる復興支援」「祈る復興支援」・・・様々な形の復興支援があるので、それぞれに合った方法で無理なく喜んで寄り添えると良いですね。

帰りは上り安達太良SAでウルトラマンセブンに再会し、夕陽を見ながらの帰路。20時に新宿に到着しました。皆さんのお祈りをありがとうございました。



今回、畑のメンバーが年末に孤独死していました。死後数日での発見となりました。

「お茶っこ、歌っこ、畑、ソフトボール、健康マージャン・・・どれもが見守りの一つです」とおっしゃる地元のリーダー。決して一人きりの人がいませんように。誰かの心が誰かとつながりますように・・・。

さらなるたましいと町の復興を祈りつつ続く第86次のチームにバトンを渡します。


0 コメント:

コメントを投稿