2016年1月12日

第72次:2015年12月13日(日)~17日(木) 大槌町(岩手県)、郡山市(福島県)

大震災から5年弱がたち、今なお、多くの変化の中、私たちは生かされています。新しく生まれた命、成長した子ども達、震災後リーダーとして身を粉にして働いて来られたが体調を崩されて入院されている方々、天に行かれた方々、引越しされた方々、避難先から戻ってこられた方々・・・多くの出会いと別れを繰り返し、「今」それぞれが確かに生かされているという事実・・・今ではひと月に一度の訪問ですが、それでも初期の頃からの色んなことを思い出しながらの活動でした。

今回の主な活動は、元オペラ歌手でルーマニア出身新潟在住のAさんと、ヨンタさん(サンタさんの友達)と、プルートン君(トナカイ)と、愉快な仲間の男2名、女2名、計4名で大槌町内10ヶ所の「クリスマスコンサート」と、20件ほどの訪問でした。特に、天に行かれた「お父さん」とそのご家族へのご挨拶と、2件(釜石と盛岡)の病院にお見舞いに行くことが許されて感謝でした。

<事前準備>

お菓子パックに素敵な「手作りクリスマスカード」を一枚一枚愛をこめて、祈りつつ入れました。600個のうち300個は教会にてパッキング。残りは車に載りきらないので宿での作業となりました。カードには、ヨンタさんから「苦しみを通して愛の尊さを知った」「涙の数だけ優しくなれる」のメッセージが書かれていました。今回、このお菓子とカードに多くの方が感動して涙して下さいました☆





<12月13日(日)> 

東京を1時半発に出発。安達太良SAでマフラーを巻いたウルトラマンを見てから、仙台駅近くのバス停でAさんとの合流に備えて駐車場を探したのですが・・・交通量が多すぎるし、駐車場が少ない上に狭いし、車両の高さ制限があるし・・・15分ほどの入庫でどっと疲れました。でも頑張った甲斐あり、なんと、私達がバス停に到着して3秒で無事合流できました。その後、予定通り21時前に花巻の宿に到着でき、ヒノキ風呂で疲れを癒し、明日に備えました。ちなみに宿は外装の工事中でネット販売していなかったために私達の貸切でした。


<12月14日(月)>

デボーションの後、6時45分出発。車内で朝食を食べ、いざ大槌へ。

9時半にB高齢者施設に到着し、10時半~1時間のクリスマスコンサートに備えました。子ども達は、じ~ちゃん、ば~ちゃんに向って、元気に「ジングルベル」を歌ってくれました☆Aさんの美しい歌声ときれいな衣装に、「うぁ~☆」と感嘆の声があちこちから聞こえました☆ヨンタさんとプルートン(トナカイ)に子どもも大人も大喜びでした☆





その後、港に行って漁の様子を伺いましたが、12月に入って1週間ほどは漁が少しもち返したようですが、昨年までに比べるとサケの漁獲高がケタ違いに少ないです。昨年はこの時期36トン獲れていましたが、この日は3トンでした・・・。震災の年に稚魚を放流できなかったことが一番の原因のようです。来年も再来年もわずかな数しか放流できなかったので、この影響はあと4年ほど続くようです・・・。サケで一年間の採算がとれていたのに、この調子なので大変です。しかも、国からの補助金なども既に打ち切られているので・・・。祈りが必要です。隣のホタテの仕事をされている顔馴染の方々とも再会を喜び合い、クリスマスプレゼントのお菓子を渡すと「おらたち(大人)の分もあるの?」と大喜びされました。

その後、「お母さん」のお店に昼食を食べに行き、「お母さんは?」「お父さんはお元気ですか?」の質問に、パートの方から1週間ほど前に長い闘病生活だった「お父さん」が天に行かれたことを初めて聞かされました。・・・。「お母さん」は、外出中で会えなかったですが、美味しくて体にお味噌汁などを沢山用意して下さっていました。・・・

そして、13時30分にC高齢者ディサービスに到着し、14~15時のクリスマスコンサートに備えました。「お父さん」のことが悲しかったのですが、待って下さっている皆様が、やる気満々で色々なかぶりものを身につけて大きな声で歌ってくださる姿に逆に励まされました。特に、「愛燦々」の熱唱に心打たれました。あっという間に楽しい時間が過ぎ、ヨンタさんからのクリスマスプレゼントとメッセージカードに、スタッフの方々が「涙出てくる。あげることあっても、こんなんもらうことないから」と泣いて喜んで下さいました。



次に、D保育園に「赤鼻のトナカイ」を歌いながらサンタさんとプルートン君と一緒に、クリスマスのお菓子を届けに行きました。子ども達は一同、目をまん丸にして「うわぁ~、サンタさんだ!!!トナカイだ~!」とビックリ仰天!

先生たちには「今回の日程中のどこかでサンタがお菓子を届けに行きます~直前に連絡しますけど」と先月の訪問時に伝えていましたが、子ども達には秘密でした。子ども達も先生たちも大喜び。普段は落ち着かない子たちも含めて静まりかえり、目を皿のようにして全神経をヨンタさんとプルートンの一挙手一投足に集中!ヨンタさんの「みんな仲良くね」等のサンタさんからの伝言もしっかりと聞いて「はい」と答えていました。プレゼントに大喜びでした!


16時15分~E学童でコンサート。毎回訪問するたびに、パワーアップしている子ども達は、元気いっぱいでした。

まずは、クリスマスジャンケンで前座。そして、歌とプレゼントタイム☆一緒に色んな歌を歌い、スタッフの方たちとも良き交わりの時をもてました。「子ども達元気そうに見えるけど、当時のことを誰も口に出す子はおらず、その話が出ようものなら一瞬にして表情がこわばる」とのこと・・・それはそうですよね。


その後、お土産探しに、「おばちゃんクラブ(手作り)」のクラフトを見にマストに行き、色々と購入しました。

18時半に宿に戻り、19時~(美味しいけれども品数が多すぎて)誰も完食できなかった夕食を食べ、幸せでした☆20時~21時半は、2人の隊員で黙々と残りのクリスマスプレゼント300個の袋詰め。職人のような働きぶりでした☆




<12月15日(火)>

隊員の2人は、5時15分に宿を出発し、水揚げを見学。サケが少なすぎてビックリしました。漁師さんたちに何と声をかけたら良いのかわかりませんでした。


皆そろって7時に朝食。全てが美味しかったですが、特にミカンシフォンケーキが絶品でした!体に優しい味で『今日もやるぞ~☆』って気になりました。




8時半にコンサートに行きたくても仕事で行けないご多忙の女将と大将とパートの方のために(女将が敬愛する)前女将の愛唱歌「愛燦々」をAさんに歌ってもらいました。女将は涙ぐんで感動して下さいました。前女将の誕生日、月命日を直前に大変喜んで下さいました。



その後、ボランティアセンターに行き、高台から町を見下ろして祈りました。



9時半にF地区に到着し、10時半~13時のコンサート&昼食&カラオケ大会に備えました。「復興のため」に学校も桜の木も家も次々と取り壊され、以前は見えなかった位置からひょっこりひょうたん島がよく見え、隊員達でさえ複雑な心境でした。コンサートでは、共に手拍子や歌で楽しく過ごして頂けたようです。昼食を皆さんと一緒に同じものを頂き、食後は、カラオケ大会・・・E地区の世話役の方に頼まれて、隊員の一人も熱唱しました。








その後、G地区公民館で14時~15時半の「コンサート」&「お茶っこ」。45分前には到着し、仮設を一軒一軒ご挨拶させて頂きました。共に再会を喜び合い、昔話に花が咲きました。皆様とほのぼのと素敵な時を過ごさせて頂きました。また、うれしいことに、愛しの「お~ちゃんバス」にも何度も会え、今日だけで早朝から7回ほど見ました☆滅多に運行してないのに、G地区で折り返し運転をするので、往復見ることができました。




その後、ジョイフルハウスに音響のセッティングを済ませてから、「赤鼻のトナカイ」を歌いながらH保育園とI学童にヨンタさんとクリスマスプレゼントを配達。子ども達も大人も「サンタが来た!」と大騒ぎで喜んでくれました☆



宿で夕食を18時~食べ、18時45分にはジョイフルハウスに到着。近所の方も来て下さり感謝でした。お茶っこの時も有意義でした。






<12月16日(水)>

7時~宿で朝食。今日のイチゴシフォンケーキも絶品でした!

荷物を全て車に積み込み、8時20分から宿で女将と大将に向って「歌っこ」。今日は女将のリクエスト(前女将の愛唱歌)の「アベマリア」と、「さやかに星はきらめき」をAさんに歌って頂きました。またしても女将は感動して涙々☆女将と大将が見送りは見えなくなるまで手を振り続けて下さいました☆




8時45分にJ幼稚園に到着し、子ども達の感動的な降誕劇を見せて頂き、成長ぶりに驚きました!その後、保護者の方々も交えてクリスマスコンサートとなりました。「雪とアナの女王」の「Let  it  go」が特に盛り上がりました。子ども達は、「きよしこの夜」などの歌詞を覚えており、クリスマスキャロルを元気に歌ってくれました。





その後、Kガソリンスタンドで給油。スタッフの皆さんが、いつものように、人懐っこい笑顔と沢山の「飴っこ」で出迎えて下さいました。クリスマスプレゼントを渡すと、タコとイカのするめを頂いちゃいました。


昼食は、看板娘犬「介助犬 ユキちゃん」のいるL仮設店舗で美味しいおそばを頂きました。昨年は漁師さんや仲買人さんでなくてもあちこちで新巻鮭が見られたのに、今年は商売されている方ぐらいの軒先にしか干されていませんでした。



その後、先日「天に行かれたお父さん」と、「お母さん」にご挨拶に伺いました。本当に素敵な家族愛を見せて頂きました。「お父さん」ありがとう。天から見守ってください。「お母さん」にも会えて、直接お話できて良かったです。

13時過ぎからはM障がい者施設での1時間のコンサート。皆さん大きな声で「愛燦々」や「クリスマスキャロル」や「故郷」を熱唱して下さいました☆お一人お一人それぞれに、一生懸命に歌って下さっていました。別れを惜しんでいつまでも見送ってくださいました。また、「○○○ちゃん(先月の歌のゲスト)、元気ですか?会いたいなあ☆」とか「す~さんと、ゆいと君に来てほしい」とか・・・沢山の熱いメッセージを頂き感謝でした。



その後、N商店とO高齢者グループホームとP幼稚園にも「赤鼻のトナカイ」を歌いながらクリスマスプレゼントを届けに行きました。みなさん大変喜んで下さいました。素敵な出会いもあり感謝でした!



大槌町を目標の15時半までに出発し、次は、Q病院訪問。まず、震災後、それまで以上に身を粉にして「その道」のリーダーとして働いて来られ、体調を崩して釜石のP病院に
入院されている方のお見舞いでしたが、2ケ月会っていないうちに顔が3分の2ほどに痩せこけておられビックリしました。短い時間ではありましたが、今まで以上に親しく顔と顔を合わせてお話でき、感謝でした。


そして、次は、震災直後からずっとお世話になってきた方のお見舞いに盛岡市のR病院にむかいました。到着した時には17時半で周りは真っ暗でした。術後の経過も良く、退院もまもなくできるとのことで一安心しました。話せば長い物語・・・。普段から連絡をとりあっていましたが、「病院では、天井を見て毎日反省、後悔ばかりしている」との話に慌てて、先週、樋野先生のタイムリーな本を3冊個人的に送らせて頂きましたが、「おかげさまで、心が楽になりました。皆さんの優しさに本当にいつも感謝します」との伝言を預かってきました。お互いに、直接顔を見て時を過ごせて安心できたようです。『やっぱり家族なんだな』って思った瞬間でした。


夕食は、地元の方が教えて下さった「ぴょんぴょん舎」で盛岡名物の冷麺などを頂きました。

ヨンタさんは、世界中で待っている人たちがいるので夕食後別れて、残りの3人の隊員は、盛岡の温泉宿に20時半頃に到着し、温泉で疲れをとることができ感謝でした。

<12月17日(木)>

せっかくなので、朝からも温泉に入り、6時半朝食、7時45分宿を出発。積もっていませんでしたが、ボタン雪がちらつく中の走行でしたが、宮城県に入ることには晴れました。時折、突風が吹くので何度かハンドルをとられそうになりドキッとしましたが守られました。




Aさんとは仙台のバス停で別れ、安達太良SAでウルトラマンセブンに挨拶し、福島県郡山市の素敵な働き人達を訪問。一緒に素敵な仲間たちと昼食を食べて、少しお手伝いもさせて頂きました。この日は、秋田から送られてきた魚(ハタハタ)などが豊かに並んでいました。お土産の「サンタクロースのタペストリー」を予想以上に喜んで頂き、うれしかったです☆廃材(?)から有益なものを作り出すリサイクルの天才のS代表が『郡山の強風の中でも耐えうる丈夫な看板をつくりたい』と思い、お祈りしていたそうですが・・・そんなことは全く知らなかったのですが、ピッタリサイズのものを提供できて良かったです。





17時半に教会に到着。

どこも顔を出すだけも喜ばれるのに、今回はクリスマスプレゼントや、プロの「歌っこ」や、「ヨンタさん」と「プルートン」の出演もあり大喜びされました!今回は、予算オーバーの宿泊や食事は自己負担で経済的にも復興支援できました☆

「収穫は多いが働き人が少ない」・・・特に、運転手が不足しています。志を与えられた方は声をかけて下さい。続く第73次にバトンを渡します。




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