2015年1月28日

第63次:2015年1月19日(月)~22日(木) 岩手県大槌町


今回はマジックのK先生と大槌町を巡りました。

ボランティアはすっかり減ってしまい、今では、岩手県以外から大槌町に来る団体はアガペーCGNをのぞいて皆無に近いようです。特に雪の時期ですので、どの団体も訪問を躊躇するようです。そんな中の訪問でしたので相当喜ばれました!


1月19日(月)

午前9時にスタッフ達にお祈りして頂き元気に出発しました。天候は曇り。途上福島県を通過の頃に粉雪がちらつきました。前日に降ったのでしょう、重なる山々や農閑期の畑はうっすら白く、美しい光景でした。まもなく粉雪も止み、ほっとしました。雪道の運転は経験豊かな運転手にとっても緊張しますので、雪から守られるよう皆様には特に祈っていただきました。夕方まだ明るいうちに山越えをし、目的地である大船渡の宿舎に安着いたしました。

今回はK先生によるマジックが主な活動ですので、宿舎ではその下準備と手順など打ち合わせをしっかりいたしました。


1月20日(火)

天気は快晴。朝の気温はマイナス1度。背後のお祈りをひしひしと身に感じながら出発。A仮設住宅集会所には、期待感に満ちた表情で次々と皆さんが早々とやってこられました。仮設住宅の皆さんのほかに、在宅被災者の方々も前回に引き続きいらしてくださいました。他のイベントとかち合っていたようで、おいでになれなかった方々もいましたが、今回は出席者の半数が男性で、力強く歌ってくださいました。K先生は3回目のアガペーCGNのご奉仕ですので、覚えておられる方々も多く、マジックを楽しんでくださいました。生きた真っ白な鳩が先生の手から出てきた瞬間の驚きは例えようもありませんでした。思わず歓声が上がり、拍手喝采。次から次へと息を飲むような見事な手品!あっという間に時間が過ぎました。お茶の時間に先生がご指導くださって、全員で折り紙を使って魚を作り、手品を楽しみました。2歳のHちゃんもお母さんと一緒に大喜びでした。参加された方々は24名、またK先生に来ていただきたいと固い握手を交わしました。お病気のためにおいでになれなかった一人の方を訪問しましたが、かなりお具合いが悪く会えませんでした。ご主人からご様子をお聞きして次の場所へ移動しましたが、回復のために隊員一同心  篤く祈りました。



午後1時半から、B仮設住宅でマジックが始まりました。いつも来てくださる方々が、温泉ツアーに出かけたとのことで、子どもたち二人を含めて参加者は11名でした。前日に皆さんが作ったという小正月のシンボルであるみずき団子が集会所に飾られ、まるで桜が咲いたかのような雰囲気でした。先生が赤い風船を飲み込んでいくのを見て皆さんは驚き、「大丈夫だろうか、心配で心配でたまらなかった。」とおっしゃっていました。


Cさんのお店に寄ってお茶をいただきながら、間もなく四年になろうとする仮設に住む方々の生活の変化をうかがいました。「もう被災地と呼ばないで欲しい。他者依存から抜け出て、自立に向かっての歩みが始まっているのだから。」とおっしゃった岩間さんのお顔には、復興への大きな期待と困難に耐えていく粘り強さが満ちていました。

援助隊が働きを始めた早い頃からお世話くださってきたDさんを訪問しました。「種まきの季節がきたら、畑で働いてくれる人たちを是非送ってください。魚やワカメも一緒に食べて欲しいよ。」と要望なさいました。同じ年のある隊員との再会をことのほか喜んでおられたDさん、二人は出発の時間になっても握手の手を放そうとはしませんでした。


1月21日(水)

神様は祈りに応えてくださって、再び快晴の一日をくださいました。マイナス3度の風は冷たかったのですが、道路脇にも野原にも雪は全くなく、全員元気に奉仕に向かいました。復興作業のためにトラックが頻繁に行き交い、盛土があちらこちらに見られ、町役場周辺は道路の整備が着々と進んでいました。


午前10時、E仮設集会場で歌とマジックショーが始まりました。不思議なマジックの世界、驚きと拍手。ここでは職員の方々もすっかり興奮。折り紙の手品も夢中になって喜んでくださいました。




午後1時、F幼稚園でマジックは3回目でした。一つ一つの業に目を丸くして見つめる子どもたち、素直な子どもたちの驚きの表現は素晴らしく、K先生はますます熱が入りました。鳩が2階へ飛んで行ってしまった時の子どもたちの声。終わりに一人ずつ並んで、子どもたちは鳩を指に乗せたり、背中をなでたりして写真にポーズ!





帰りにひょうたん島に立ち寄り、美しい夕焼けとカモメを眺めながら、かつての大槌町はどんなにか美しかったことか、その光景を心に描きました。漁に出る備えをした漁船、国際開発救援財団から寄贈された漁船やテント、未明出漁の時の活気はいかばかりでしょう!釜石や大船渡に比較しますと、大槌町の復興への道のりはなお遠いのですが、被災前よりももっと素晴らしい町ができることを期待しながら帰途につきました。





1月22日(木)

東京の一部が雪、岩手も午前雪との予報を知り、早々と宿舎を後にしました。しかし、雪は降らず山越えも守られました。小雨の中一関到着。東北道は渋滞が全くなく、スムースで感謝でした。鳩さんたちもおとなしく旅を続けました。16時前に東京のK先生のお宅に到着するやいなや、屋上にいた鳩たちが声を上げたことには驚きました。留守番をした12羽はこの瞬間がどんなにか待ち遠しかったことでしょう。

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