2014年4月18日

第55次:2014年4月6日(月)~9日(水) 岩手県大槌町


今回は、若手2人のチームで、今までにお世話になってきた所の挨拶回り(代表・窓口の変化の有無、人数、ニーズ調査など)と、大槌町内のほぼ全ての仮設住宅の談話室・集会所の様子をほんの一時であっても訪問し、実際に五感で感じてくる・・・というのがミッションでした。どこでどのぐらい時間がかかるのか全く読めないために、今回はあえて事前にアポを全くとらずに訪問させて頂きましたが、各所に「平安の子」が備えられており、どこに行っても何をしても祝福でした。

初めて訪問した仮設住宅でもたった一人の方(代表者ではない)とご挨拶させて頂いただけで、「ちょっと待って。今、みんな呼んでくるから」と私たちを談話室に通してくれた後、いなくなり・・数分後には、次々と人が談話室に来てくださり、1時間ほどいましたが、8人ほどの方とのお交わり。前半は、「久しぶりだね。~。」と近況の話でしたが、そのうちに自然と震災の話になり・・・皆、ため息交じりにしんみりとなりました・・・しかし、この時間が必要だったようで、最後は「みんながいてくれてよかった。またお茶っこしようね」「イベントめったに来ないから是非来てほしい」と声をかけてくださいました。


また、ある仮設では「今日和太鼓の日だったか?!?いっけない♭忘れてた!」と言いながら慌てて服を着替えようとする方も複数おられました。確かに、それらの場所は、避難所の時期も含めて3回訪問しましたが・・・よほど和太鼓の印象が強かったようです☆うれしかったです。「すみません。今日は皆さんの顔を見に来ただけで、イベントではないです」と伝えると、「わざわざ、ありがとう。太鼓はいつですか?」とのこと(笑)。

どこに行っても歓迎され、「こんにちは。約束通り、また来ました☆」と訪問すると相当喜ばれました。また、今回は連日大槌町内の40か所以上を訪問していましたので、わずか数日の間に別の地域でお会いした支援員さんやケアマネジャーさんや漁師さんたちと何度も会うことが多く、「また会いましたね☆」とお互いにニッコリ。ある老人ホームを訪問すると、今までお世話になってきた方のお母さんがいらっしゃったり・・・人と人がつながっているのを感じました☆

何もイベントがなくても各仮設集会所、談話室ごとに朝のラジオ体操を9(10)時~して、その後、習慣のように毎日「お茶っこ」をするようです。地域の自主性が育ってきています。地域によって差はありますが、自主的にイベントを企画し、自分たちでひきこもらないようにお互いに声をかけ合って生活されている所も複数ありました。

暖かくなってきたこともあり、多くの仮設の談話室や集会所に8名ほどの方がおられました。最近では、どこの仮設でもほとんど集会がないのですが、『一人でいても元気が出ないから~』と自然に談話室に☆日向ぼっこをする方、お茶っこをする方・・・過ごし方は様々です。また、「年に数回、自主的に自治会が主導で、自分たちでイベントを計画して活動している。ボランティアの方たちには、経済的な協力や、若い力の協力、カラオケセットやバーベキューセットなどの貸し出しをお願いして助けてもらっている。」との報告も複数の集会所で受けました。最近のボランティアは、「一緒に」という「参加型」が多かったです。


4月6日(日) 晴れ時々曇り時々雨

多くの方々が見送って下さり、13時前に東京を出発。道中、打ち合わせ等をしっかりとして有効に時間を使用。天気はコロコロよく変わりました。大槌町に着くと、いつもの走り慣れた道が盛土のために工事中。新しい迂回路(震災前は線路だった部分に仮の道路ができていた)・・・目的地は分かっていても、普段は通れるまっすぐなメイン道路が通行止め、真っ暗だし、看板が見えず2度10分間程迷子に・・・その後、無事地元の仮設商店街の食堂に到着。美味しい夕食をすませ、21時頃に今回宿泊させて頂くY商店に到着。宿に着くと、いつも笑顔の素敵な奥様たちが歓迎して下さいました。お風呂で疲れをとり、すぐに寝ました。




4月7日(月) 晴れ

5時起きで大槌町の漁港へ。定置網はこの時期は休みで、ワカメ漁、ワカメとメカブの選別、カットなどの作業に励んでおられました。みなさん無駄話をせずに黙々と働いておられました。




大量のワカメの中に、ドランゴンフルーツのような見た目の物を発見!作業されている人たちに「これ何ですか?」声をかけると、「見ても分からないなら、聞いても分からないよ(笑)。こんな美味しい物、知らないの?(笑)」と言って、その物体を手にとり、カットし、水で洗って「食べて」と一人ずつに下さいましたが、食べても分かりませんでした・・・。漁師さんが「ホヤ」だと教えてくださいました。生まれて初めて食べましたが、臭みはないのに実にこくがある味でした。その後、30分ほど(腹ではなく)胃の中にうまみが残っているのが分かりました☆




その後、いくつかの仮設を訪問しながら、わざとスカイライン(山越え)経由で30分遠回りをしました。さすがに景色がきれいでした!!!朝日が海を照らしとても幻想的でした。何度もシャッターを押しましたが、あの芸術をカメラにおさめるのは無理でした。


100キロ程のイノシシにも会いましたが、私たちの車を見るとビックリしたようで、体型のわりに猛スピードで森の中に逃げていきました。

山の反対側に行くと、ここでも「ワカメ」「メカブ」の仕事をされている方々を複数訪問しました。みなさん「ワカメ」の時期は3時間半ほどしか睡眠時間がとれないそうです。「3月4月は、特にボランティア大募集!!!」とのことでした。メカブもワカメもお湯で「しゃぶしゃぶ」とすると、湯につけた部分だけが、あっという間に色が変わり食べられるようになりました☆メカブ超おいしかったです!!!今までこんなに美味しいメカブ食べたことなかったです!!!









また少し歩くと、個人の刺し網漁の船が戻ってきました。立派な魚がたくさん☆話が弾み、大きな鱈(タラ)を4匹頂きました。




その後、宿に戻り、夕食のような豪華な朝食を頂き栄養補給☆
奥さんは、頂いた鱈(タラ)を早速おろしてくださり、下ごしらえ。今夜の食事が楽しみです☆



高台から町を眺めました・・・。




その後、ボランティアセンターにて今回の訪問先と活動内容の報告。事前に電話でOKはもらっていましたが、念のために再確認です。

私たちが見たのは、ホンの一瞬ですが、仮設毎に特徴があるように思えました。どこに行っても「お茶っこ」から始まります。各所長居するつもりはなかったのですが、よく訪問させて頂く3ヶ所と、新しい1ヶ所は1時間以上時間がたちました(笑)。あえて、訪問計画を立てずに、風の吹くままの訪問となりましたが、どこもここも「ちょうど良かった~。ちょっと時間がずれていたら居なかったよ。会えてよかった!みんな元気?・・・」と言った感じで絶妙のタイミングで訪問できたことに感謝!




宿に戻ると美味しい手作り料理がずらり。超多忙の奥さんが、毎食家族とボランティアの人たちのために心を込めて作ってくださっています。鱈のあら汁、鱈の天ぷらなども並んでいました☆タコのカルパッチョも美味しかった!!!どこのレストランにも負けない美味しさです!!!




4月8日(火) 晴れ

今朝も5時起き。朝焼けがきれいです。







本日も、祈りつつインスピレーションのままに仮設や施設を訪問。あちこちで必要な出会いがあり感謝!今日もドンピシャのタイミングで訪問できたことに感謝!平安のままに、1時間以上お茶っこする所も何軒かありましたが、挨拶だけで次に行くところもあり、色々でしたが、訪問は順調に進みました。





 仮設の皆さんの作品「絆」

ピンク:心
青:海(世界)
黄・赤・緑:大槌の草木
他の色:季節、街並み


以前からかかわりのある何軒かも訪問し、預かってきた手紙を配達☆皆さん大喜び☆


あちこちで小学校の入学式。ピカピカの一年生☆かっこよかったです☆子どもの成長は早いです。震災後から3年以上関わらせてもらっていると親しみもわいてきます☆


午後は、アガペーCGNの代表(峯野師)が副理事長を務めるFIDR事務所訪問のために山田町へ。良き交わり、情報交換の時をもたせて頂きました。途中、「3・11いわて教会ネットワーク」の「いっぽいっぽ」でお茶とパンケーキを頂きました。


道中、いくつかの訪問先に立ち寄りました。



その後、再び仮設住宅や、高齢者の施設などを訪問。普段の様子を見ることができました。






周りは暗くなってきましたが、滞在日数が少ないこともあり、職員の方にご挨拶だけのつもりで訪問すると、職員さんも利用者さんたちも「(5時の)夕食後にテレビ見ているだけ。まったり過ごしているだけだけどお茶っこしていって☆」と積極的に誘って下さり・・・。私たちを歓迎しようと、歌う人、民謡や演歌に合わせて踊りだす人・・・昔とった杵柄だそうです。他のみなさんたちも手拍子で応援。お互いに楽しいひと時でした。


宿に戻って美味しい夕食を頂き、その後、本日最後の訪問に向け再出発。

大槌町のジョイフルハウスを訪問(さすがにこれだけは子どもが小さいので前日に訪問して希望の時間を伺いました)。大槌町内の教会として岩手新聞にも昨年の11月に掲載されていますが、今回は家族みんなと1時ほどの団らんと祈りの時☆ざっくばらんに、色んな話ができました。


宿に戻り、お風呂で疲れをとり、22時半に就寝。


4月9日(水) 晴れ

今日も5時起床。いつものことですが、宿の奥さんは4時には仕事をされているようで、いつも離れの台所で影が動いています。すごい働き者です。

まずはお祈り。そして、宿の部屋、風呂、トイレ掃除を終えてから、皆さんに心から感謝を伝え、朝食を食べ、仮設、学校、施設などの訪問に出発!

マスト(大型スーパー)の2階に「おおつちさいがいエフエム」の事務所とスタジオや、仮設住宅の方々が作られた手作り商品の販売所や、町内各地の復興計画の具体的な資料室などが設置されていました。今後、各チーム一度は訪問した方が良いと思われます。



10時半~、昨日FIDR事務所を訪問した時にお誘い下さったので、FIDRから大槌町への循環バスの贈呈式に参加してきました。複数のテレビ局や、複数の新聞社や、「おおつち災害エフエム」の取材チームも来ていました。このバスは、足の不自由な方も乗り降りしやすいようにステップが低く得注で作られ、大槌のキャラクターのマークも入っており、狭い道(仮設に入る道が狭い所が多い)でも入って行けるので小回りの利く「お~ちゃんバス」として人気が出そうです☆


その後、再び仮設訪問へ。

ある仮設では、「昨日ネズミを見た」ということで、仮設の玄関の床の隙間に、のこぎりで切った木を詰めて対処されていました。震災までは、知らない者同士でしたが、みなさんお互いに協力して生きておられます。「助かったわ!!ありがとう。これで安心☆」「いえいえ、どういたしまして。また何かあったら言ってください」・・・聞いているだけで暖かいものを感じました。



また、ある所では、92歳の元漁師さんから、震災後始められた刺繍の作品の数々を見せて頂きました。図柄や色を自分で考え、下書きをして一つの作品をつくるのに3日間程かかるそうです。「趣味です。女の人なら数時間でできるかもしれないが、僕の場合は遅いです。」と笑いながらも充実感に満ちた表情をされていました。

普段、イベントなどで訪問させて頂いても、じっくりとお話する機会をもてずにいましたが、今回は1時間程良き交わりの時をもたせて頂きました。


知れば知るほどすごいです。大槌には、勤勉に黙々と働く方が多く、90歳以上で、趣味をもって、お元気に過ごされている方が、他の地域に比べて多く感じました・・・。今回の訪問では、90歳を超えておられるのに、70歳ぐらいにしか見えず、かなりお元気で、身の回りのことも全て自分でして、一人で仮設にお住まいの方数人にも直接お会いし、驚くことが多かったです。また、相当の重労働なのに、漁師さんと奥さんの睡眠時間が極めて少ないことにもビックリ仰天でした。

最後に、今年で最後の樹齢100年以上の桜の木を見に行きました。この桜の木の3分の2まで津波は来ました。多くの松などがすべて枯れた中、震災直後も含め毎年桜は花を咲かせ、今年も4月末に「花見」がもたれます。しかし、10m以上の盛土(土地のかさ上げ)のためにこれらの桜はすべて切り倒されることになりました。復興、安全のためとは言え、地元の方々の何とも言えない寂しさが伝わってくる感じでした。

「2011年の春、この桜に励まされました」という声もやはり多いようです。


以前は、大槌町内を運転していても毎日何チームもの他のボランティアの人たちとすれ違ったり、訪問先でお会いしたりしましたが、今回はたぶん一団体にもお会いしませんでした。もちろん、たまたま私たちがお会いしなかっただけで、実際には数個の団体はどこかで活動をされていたとは思いますが・・・。地元の方々は「これが普通なんです。自分たちで頑張ります。でも、私たちのこと忘れないでください。みなさんのこと忘れません。ありがとうございます。また来てください。待ってます。」と口々に言われます。とても印象的でした。

今回もいろいろな方の親切に触れ、14時半に大槌出発。21時半に東京に到着。

小さくても、継続した心からの愛の働きはお互いに通じ合うようです☆出会いに感謝!

0 コメント:

コメントを投稿