今回は、久しぶりに福島県に向かいました。もちろん、福島のために毎日のように祈っていますし、回数は少なくとも継続して福島に訪問していますが、基本的には、福島についてはアガペーCGN福島支部に、宮城県については塩釜支部の現地の主体性を重んじてきました。アガペーCGN本体としては、震災後2ヶ月目以降は、交通の不便さ、宿泊施設の皆無などのために人々がほとんど支援に向かえず、しかも一番復興が遅れていた大槌町を中心に訪問を続けてきました。しかし、他の地域を毎回のように直接訪問できなくとも、確かに祈りを日々続けさせて頂いてきました。各祈祷会や、震災後毎月11日にアガペーCGN本部で行われている「東日本大震災3・11超教派一致祈祷会」もそのうちの一つです。
しかし、「愛し続ける」というのは、「共に居続けること」でもあろうと思われます。愛を実践するためにも、大槌町だけではなく、岩手県の各地域、宮城県、福島県、茨城県、千葉県・・・などを定期的に訪問させて頂いております。
大きなことはできなくとも、「日々祈り続け、メールや電話で安否を伺いつつ、時には『忘れていませんよ~。また来ました~☆』と可能な限り顔を出す」ことが、みなさん、本当にうれしいようです。アガペーCGNのブログには、主だった各次の報告しかしていませんが、実は、隊員個人レベルで日々愛の交わりが直接あちらこちらでなされています☆
さて、今回は、アガペーCGN第1次から訪問している福島県いわき市を訪問させていただきました。第1次の時には、道なき道を7台ほどの車で向かい、現地で数チームに分かれて活動しましたが、放射能の影響が心配される中、車二台で、現状を世界に発信するために福島県の沿岸部に向かい、いわき市などで早くも支援活動にご奮闘されている複数の教会を訪問させて頂きました。その後も良き交わりを持たせて頂いており、その流れの中、今回は日本CGNTVの協力のもと「我がたましいの賛美」の出演者達や、福島県のAキリスト教会と協力してコンサートを企画しました。
6月27日(木)
8時30分 お祈り会
9時 出発
13時 Aキリスト教会到着 オリエンテーション
NPO法人B(Aキリスト教会)のスタッフから注意事項等の確認
14:30~ C海岸(Aキリスト教会から約15分)に移動。
NPO法人Bが、震災後C地域の住民達にカフェスペースとして提供しておられるカフェで、C地域の状況説明を受けました。この地域に、300世帯、800人が住まわれています。6月末現在での死者は、いわき市で446人、その内C地区では160名(関連死も含まれている)だそうです。
付近を祈りつつ歩いていると、仮設にお住いの方々から震災の体験談を伺うことができました。60代位の男性は「津波が来た時に、海の近くまで様子を見に行ってしまい、そのまま津波に巻き込まれて亡くなった人が多かった」・・・などのお話をしてくださいました。また、津波に飲まれ巻き込まれた人を見過ごしにしてしまった経験を『何とか助ける事ができた人もいたのに・・・。私は、多くの人々を見殺しにしてしまった』と、今なお自分を責めておられる方も複数おられました。
16:00 D仮設住宅に移動 世帯数 240世帯 約500人
(かつて福島原発付近にお住まいであられた住民の方々)
全世帯にコンサートのチラシと韓国のお菓子(チョコパイ)を配りました。
この地域はNPO法人Bが震災後継続して交わりをもっている仮設住宅です。Bのスタッフを自分の「息子」「娘」のように呼んでいる姿があり、良い関係を築いて来た事が伺えました。コンサートの案内を声かけすると、快く聞いて下さる方が多く、継続して人の必要に応え、一人ひとりの心に届く訪問活動をして来られたのが良く伝わってきた。
6月28日(金)
午前中は、「コンサートの舞台づくりチーム」と「E仮設住宅チラシ配布チーム」に分かれて活動しました。約90世帯、180人(原発付近に住まわれていた方々)。人々は、「早く帰りたいんだけど。でも、みんなこっちに来ているから。いつ帰れるもんだがね?」「今は息子と二人暮らし。息子は、昔はガス会社に勤めていたけど、ここにきても手っ取り早く仕事なんか見つからないわ」「町長さんが来て『あと2年はいなきゃなんないよ。』って言ってきたけど、そんなに待てないよ。私、そのうち死んでしまうわ。」「まさかこんな歳になってこっちの方さ来て、こんなしていなきゃいけないなんて夢にも思わなかった。」「今、楽しみって言われても特にないね。ただただ漠然と暮らしている感じ。ここに慣れようという感じ。実家にいれば、草をむしったり、何なりすることはあったりしたけど、ここでは、ちょぼちょぼ~っと草を引いたらすぐにやることが終わってしまう。ここでは、な~んにもすることないよ。」・・・。
明るく元気なおばあさんたちでしたが、出てくる言葉には「進展ない毎日への、あきらめと無念さ」が漂っていました。震災で一変した生活に悔いても訴えても望み通りになることもなく、見通しの持てない現状を目の前にして、力も尽き果て、ただただ置かれた環境に馴染んでその日その日を生きようとする人々が多いように感じました。
午前中の訪問であったこともあり、学校や仕事に行かれている方も多いのか、住人に会えずに、ポスティングのみに終わってしまった家が多かったです。一通り全世帯に配り終え、D仮設住宅の「集会所」を訪問すると、「折り紙で飾り物を作る作業」を住民の方々がしておられ、皆さん口々に「何もすることがなかったら具合が悪くなる。ここでの作業が今の大きな楽しみとなっている」とおっしゃられていました。アガペーCGNの隊員たちも久しぶりに折り紙を共にして楽しい時間を過ごしながら、コンサートのご案内をさせて頂きました。そんな中、「震災をきっかけに、家族が離ればなれに住むようになり、ほとんど孫に会う事ができず寂しい」「息子夫婦も離れた場所で生活するようになり、なかなか訪問できなくなったが、それも仕方が無い。どうしようもないことだよ・・・」など心の内を分かち合って下さいました。しかし、私たちが祈りつつかける言葉も残念ながらむなしく聞こえ、ただ一緒に折り紙を折ったり、雑談に花を咲かせたり・・・そんな小さなことしかできませんでしたが、今の被災地の現実を肌で感じ、現地で仕えておられる方々の尊い働きを実感することができました。
午後は再び「コンサートのリハーサルチーム」と「教会の周辺のチラシ配布チーム」に分かれて、コンサートギリギリまで活動をしました。Aキリスト教会から駅までの道中や、商店街などでも、チラシを配りながらお一人おひとりとお話することができました。
19:00 仮設住宅から来られる方々のために車で送迎を出しましたが、複数の方々に利用頂くことができました。また、チラシを見て仮設住宅から自力で来て下さった家族もあり感謝でした。
「レ○ンボーミュージック」のMCと、ゲスト陣が次々とオリジナルの歌を披露。被災地での奉仕を数多くこなすメンバーたちは、「ソフトなトークと、力強いメッセージ性のある素晴らしい歌」を奏でてくださり、会衆はたましいの深い部分から魅了されていくのが目に見えてわかりました。「心に浸みる暖かなメッセージ」も加わり、全会衆によるGod bless youの合唱するころには、会場は大きな喜びと感動に包まれていました。それぞれに、どうすることもできない、解決が不可能に思えるような痛みがありましたが、ほんの少しでも共に分かち合い、祈るときを持たせて頂きました。
初めて教会に来られた3名の老夫人は、仮設住宅への帰りの送迎車の中で、何度も「本当に感動した。良かった。」を連発し、『実は過去に教会に行った事がある』という話しなど、過去に訪れた教会の話を喜んでしてくださいました。
出演者も、『本当に素晴らしい経験をすることができました』と感動を話してくださいました。
6月29日(土)
9:00 Aキリスト教会のE先生とスタッフ達と、アガペーCGNのスタッフたちで、交わりの時を持ちました。E先生は「震災後に取り組んできたプロジェクトが思うように進まずに悩み、もうやめようと思った時、再び聖書の御言葉に力づけられて、絶望を前にしてでも希望を持っていきる勇気を与えられた」などの証を交えて分かち合ってくださいました。
その後、元々、他県に住んでおられたのに、震災後、NPO団体Bを通して、A地域やB地域などを中心に復興活動を続けているうちに、神様の導きの中、福島を心から愛し、家族みんなで移住してこられたF牧師一家を訪問しました。『いつかCGNTVを設置したい』と祈っておられた事を知り、今回、アンテナの設置に向かったのですが、大変喜ばれました。男性スタッフが屋根の上にアンテナ設置を担当し、女性スタッフは祈りと食事の準備と子供たちの交わりをさせて頂きました。教会の建物は、一階が「集会スペース」と「食事スペース」、二階が「住居スペース」と「ゲストルーム」となっていました。今回は一階の食事ができるカフェスペースにCGNTVを設置し、みんなで観ることができるようになりましたが、冬はかなり冷え込むスペースであるため、約6畳の和室のスペースでも視聴可能にし、冬はそこで観られるように接続させて頂きました。ついたばかりのCGNTVを視聴しながら、奥様が準備して下さった美味しいタコライスと、F先生がいれてくださった美味しいコーヒーを飲みながら、昼食のひと時をもちました。
今回は、多くの隊員が参加しましたが、一人一人がそれぞれに『今後も引き続き福島を訪問し続ける事』を神様から語られ、『東北を忘れず、東北が復興するその日まで、被災地東北と共に歩み続けたい』と改めて実感したようです。
共に祈り続けて行きましょう☆
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