2013年3月18日

第41次:2013年2月25日(月)~28日(木) 岩手県(大槌町)



今回はシンガーソングライターのMさんと一緒に岩手県大槌町を訪問させて頂きました。


2月25日(月)

午前10時、東京を出発。岩手県に到着後、明日に必要なものを買い、3日間お世話になる宿泊所へ午後7時に到着。マイナス5度の気温でしたが、風が無い為に(冷たいですが)寒いとは感じませんでした。明日から訪問させて頂く仮設での段取りやMさんの歌の選曲等をしました。思いがけず良い案が与えられて岩手弁の調査をしようという事で就寝。


2月26日(火)

午前10時、仮設の皆さんに歌って頂く讃美歌の岩手弁バージョン作成の為に岩手弁を採取しつつ最初のA仮設団地に到着。会場は廃校となった小学校校舎の玄関ホールでした。早速、音響の立ち上げや、お汁粉の準備を急ぎました。校内の水を使わせて頂きましたが、あまりにも冷たく、手が真っ赤に凍る程でした! しかしとても美味しい水でした。アガペーCGNは先月末にも、ここで手品を見て頂きましたが、一昨年12月の救援隊でMさんが一度来ており、仮設の方がMさんのことを覚えておられ、大変感謝でした。「春待ちコンサート」として、「この広い野原一杯」や「四季の歌」などから演歌の「北国の春」などを歌い、その中間で「主我を愛す」の岩手弁バージョンを聞いて頂きました。皆さんお腹を抱えて笑って下さって、でも少し違う! ここはこうだよと教えて頂きました。


イエスさんお~らを好っきだど      イエスさんガッツらつええ
お~らがまいっても  おっかなことねえべ        お~らのイエスさん
お~らのイエスさん     お~らのイエスさん      お~らを好きだっど

「岩手弁のイントネーションが違う」と言って下さっては歌い、仮設の皆さんとこんなに楽しく何度も何度も讃美歌を歌えたのは感謝でした。そしてS隊員が、かつて御主人を亡くした試練の時、不思議にこの讃美が心に浮かび慰められたことを皆さんに証する事も出来ました。以後どこの仮設でもこの証をする事になり、本当に神様が働いていて下さることを覚えました。そしてMさんの素敵な歌をバックに、お汁粉とお茶とミカンの「お茶っこ」で心和む時を持たせて頂きました。そして「これを歌ってほしい」と“花は咲く”の歌詞を持って来られた方があり、最後に皆で歌いましたが、Mさんをはじめ皆、涙ぐんでしまいました。1時間ほどの集いでしたが、別れを惜しみながらA仮設住宅を後にしました。

お昼は、何度もお世話になっている地元商店でおにぎりを買い、車中で昼食。

午後1時、B仮設団地到着。この場所はアガペーCGNとしては初めての場所でした。ここでも春の歌をはじめ、岩手弁バージョンの完成版讃美歌を歌いましたが皆さんの訂正が入りました。「おらの イエスさん」の、「おら」とは言わない、「うじら」と言うと! そして訂正版を何度も何度も大笑いをしながら歌いました。また、「お汁粉は豆がとてもいい豆だね☆震災前は種屋をしていたのでわかるんだ。」と言って下さる方もありました。希望をテーマにした明るい曲を多く歌いましたが、それでも胸が詰まって泣きだしてしまう方もあり、皆さんが心に様々な痛みを今も抱えておられると本当に思わされました。仮設団地の方々はそれぞれ別々の地域から来られているので、最初はお互い疎遠だったのが、このような活動に参加する事を通してお互いの関係が本当に深まっているそうです。


その次に高齢者のCグループホームに出掛け、短い時間でしたが、ヘルパーさんを含め30名程の方々がMさんの歌に耳を傾け、また一緒に歌いました。ここは先月にも訪問させていただいていますが、その時より皆さんがお元気な様子だということで、大きな声で歌って下さいました。岩手バージョン「主われを愛す」も笑いつつ歌って下さいました。最後にMさんはアメイジング・グレイスを歌われたのですが、ヘルパーさん達がホッとした笑顔を見せて下さりながら、「心が洗われ、とっても癒されました」、「自分の家族や自分の事も後回しで働いている為、気の休まる時が無くて」とおっしゃって下さいました。ヘルパーさんも被災者だったと改めて思わされたことです。


2月27日(水)

この日もお天気の中、午前10時にD仮設団地に到着し、音響、お汁粉と準備し、奉仕に望みました。中にはかつて近くの避難所でアガペーCGNの炊出しを頂いた事を覚えて下さっている方もあり、今までに来たことのあるアガペーCGNのメンバーの事も覚えておられました。またこの日は、午後に訪ねた仮設団地もそうですが、男性の方の出席も何名かあり感謝でした。そこでも春の歌や希望を歌った明るい歌をMさんがトークを交えながら歌い、そして岩手バージョンの「主我を愛す」を歌うと、岩手弁に訂正が入りました。私達は「うじら」とは言わない「おら~ど」と言うと。そしてこの仮設の方々は、「もう少し上品なのよ。爺様、婆様、とう様、かあ様と様をつけます」という事でした。山をはさんでこちら側と反対側とでは、岩手弁のイントネーションと言葉も少し違いがあると言う事に驚かされました。お茶っこで和んだ後、やはり「花は咲く」では皆しんみりと涙ぐみ、「北国の春」でお別れをしました。


そしてお昼は、ここもアガペーCGNが何度か関わりを持った所ですが、隣接の仮設商店で頂き、御主人とも良い交わりの時を持つ事が出来ました。

午後には、先月アガペーCGNとしては初めて訪ねたE仮設団地に行きました。ここでも明るいMさんの歌声に皆さんも手拍子で応えて下さいました。岩手弁「主我を愛す」も訂正なしで歌い、お汁粉とみかんで〝お茶っこ〟をし、和やかな雰囲気となりました。数人の男性も参加して下さっていましたが、窓の外で日向ぼっこをしている男性達が多く、地域によりますが、男性への働きかけの難しさを覚えました。また女性では、前回のアガペーCGNの支援隊の中で知り合った方もおられ、その方はミサンガの糸を待っていました。早速、淀橋教会の有志とその友人と孫を含めて14名からの、刺繍糸、レース糸、毛糸が様々な色でぎっしりと集められている贈り物を手渡し、大変な驚きをもって喜ばれました。しかしこの方は今週初め、様々な軋轢のために倒れ、記憶も飛んでしまった部分もある中、「この仮設のいつもの場所にいつもの様に用意されていた自分の居場所にホっとした」とおっしゃられていました。しかし、その一方で、すぐに色々な事で自分を責めてしまうのだそうです。「淀橋教会の皆さんに心から、有り難うございます。また集会所にすら出て来られない若い女性にもレース糸と針を渡します。助けて下さり感謝です。」と語って下さいました。 先月、糸の約束をした時の様な笑顔はありませんが、少しずつゆっくりと回復されます様に祈るばかりです。



 このあと以前から親しくさせて頂いている地元のリーダーの方とお茶を飲み、城山公園より復興の進まない夕暮れの大槌町を展望し、宿泊所への帰途につきました。



2月28日(木)

この日は宮城県岩沼市の教団のMSR+の拠点に立寄り、完成した朝どりの施設を見、名取市に引っ越された教会員の方をお訪ねした後、東京への帰途につきました。

お祈りありがとうございます。

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