2013年1月17日

第39次:2012年12月17日(月)~20日(木) 岩手県(大槌町)



待ちに待ったクリスマスシーズンがやってきました。12月は、多くの人が信仰の有無に関わらず「クリスマス」をお祝いの時節ですので、今回は主に大槌町の4か所で“アガペーCGNのジョイフル・クリスマス会”を行わせて頂きました。救い主のご降誕の知らせが、被災地の皆様に喜びと希望をもたらすことができるように、また、お一人おひとりの心に神様の愛のメッセージが届くように願いつつ、楽しくリラックスした時間を過ごしていただけるようにプログラムを工夫しました。「お互いの心が和むゲーム」「みんながよく知っているクリスマスの歌」「クリスマスの物語の朗読」「ショート・メッセージ」「ティータイム」を通して、確かに、それぞれの心に暖かなものが流れていったようです。

今回は、数々のクリスマスプレゼントがあちこちから備えられ、実に感謝でした。100冊の「クリスマスの絵本」、りんご5箱(1箱10㎏)、有志5人からのパウンドケーキ10本、その他キャンディケイン(ステッキ型のキャンディー)などたくさんの協力をいただいて出発しました。


12月17日(月) 東京 → 大槌町

朝9時にいつものようにスタッフ達に祈られて東京を出発。

良き交わりのもと、夜7時半頃に宿泊先の大槌町の宿舎に到着。今回初めて利用するこの宿泊先は、初期の頃ろからお世話になっている地元のAさんからのご紹介で、大槌町のためにボランティアをする私たちを泊めてくれることになりました。大震災の2011年3月11日以来ずっと地元でボランティア活動をしているという沖縄出身のBさんが、昨年の10月頃から管理をしている建物で、Bさんからは現地の様子や今後の活動に対する意見などを聞くことができ、大変良い機会を与えていただきました。

夜9時頃、用意して下さった夕食のおでんを食べた後、明日からの「ジョイフル・クリスマス会」の打ち合わせと、プレゼントの袋詰めなどの準備をして就寝。


12月18日(火) 大槌町

午前7時半~8時はディボーションタイム。祈って一日の活動をスタートしました。移動中、いつも立ち寄るコンビニの駐車場で、大槌町に架かる虹を見つけました。この虹が、もうこの地を滅ぼさないという「約束の虹」であることを願うばかりでした。


まずは大槌町社会福祉協議会ボランティアセンターに立ち寄り、活動開始の報告をしました。そして、近くの高台から、非常に大きな被害があった大槌町の中心街を見、全ての隊員が改めて『ここに暮らす人々のために今の自分たちにできることを精一杯させて頂こう』と、今回の活動に対する思いを強めました。


9時半頃、最初の訪問先のC高齢者グループ・ホームに到着。少しの準備の後、既に私たちを待って座って下さっていた人生の先輩方約20人と一緒に、「メリー・クリスマス!」の挨拶や、メンバーの自己紹介をし、「ジョイフル・クリスマス会」をスタートしました。隊員の霊的なキーボード演奏で「ふるさと」を静かに聴きながら、素敵な集会が始まりました。「きよしこの夜」を皆で歌い、続いて、音楽に合わせて小さなサンタのぬいぐるみを回す「サンタまわし」ゲームをしました。音楽が止まった時にサンタを持っている人にインタビューをさせて頂きましたが、ゆっくりと、時には元気な声で質問に応えてくださいました。歌のプレゼントとして、聖歌隊員でもある隊員が「牧人ひつじを」を歌った後、サンタクロースの服装がすっかりお似合いの2人のサンタさん(隊員)による絵本聖書『ひつじかいの夜』の朗読をしました。このイエス様誕生についての物語に、皆さんがじっと聞き入っておられました。「イエス様は神様からの愛のプレゼントです」というショート・メッセージの後、皆で「もろびとこぞりて」を歌って、クリスマス会を閉じました。ホームの方々には、手作りパウンドケーキとりんご1箱をプレゼントとしてお渡しし、昼食の時間に食べていただくことになりました。1時間ほどの短い時間でしたが、皆さんがクリスマス会を喜んでくださっているようでした。




午後は、次のD仮設団地に移動。「公民館ふれあいコーナー」で、約20人の方々と一緒にクリスマス会を開きました。ゲームで負けた方による、歌や踊りの披露が飛び出す場面もあり、明るく和気あいあいとしたなかで会が進められました。



ティータイムの時には、東京から持ってきた手作りのパウンドケーキや、クリスマスのために特別に与えられたお菓子と、アールグレーの良い香りのする紅茶をいただきながら、さらに皆さんが打ち解けて、なごやかな雰囲気になっていました。


この会場では、タイミングが合えば、イベントに参加してくれる近くのE保育園の子ども達のために、「絵本聖書30冊」と「キャンディーとチョコのプレゼント」を準備してきましたが、残念ながら子ども達は24日に開かれる保育園のクリスマス会の練習のために、今回は一緒に過ごす時間を持つことができませんでした。園の先生に代表でプレゼントを渡してきましたが、それらは24日のクリスマス会で子どもたちに贈られることになり、大変喜んで下さいました。


その後、COG教団の「ジョイフルハウス」を訪問させて頂きましたが、明日開かれるクリスマス・コンサートのために東京から到着したばかりのG先生と、被災地の復興を願ってコンサート活動をするために自費で来日しているアメリカの音楽大学の学生14人にお会いすることができました。明日のコンサートのため、また拠点としての働きのために一緒に祈らせて頂きました。

夕方、地域の人々に開放している釜石市のHホテルの窯風呂で、冷えた体を温め、夕食をとり宿舎へ向いました。

夜8時に大槌町の宿舎に到着。今日の反省と、次の日の打ち合わせ、プレゼントの袋詰めをして就寝。




12月19日(水)<大槌町>

デボーションをして出発。

まずは、前回第38次がお世話になったⅠ商店を訪問してお礼を述べると共に、クリスマス・プレゼントをお渡し、つかの間でしたが良き時を持たせて頂きました。

その後、J幼稚園に移動し、さっそくクリスマス会を開始しました。園児54人と一緒に、ゲーム、クリスマスの歌、絵本の朗読と進めて行くうちに、子ども達が幼稚園で歌っているクリスマスの歌を次々と歌い始めました。J幼稚園はキリスト精神の幼稚園ですので、正面のステージには、馬小屋にヨセフとマリア、赤ちゃんイエス様の作り物が飾られ、クリスマス・ツリーもきれいに飾り付けされていました。隊員の二人のサンタさんから、子ども達ひとりひとりに絵本聖書とお菓子が渡され、子ども達は大喜びでした。






その後、昼食をとる時間もなく、4番目の訪問先のL仮設団地に移動。仮設の土地を提供し、地域の便利のためにと開いているMさんにご挨拶し、仮設の集会所で大急ぎで会の準備をしました。

集会場に約20の人々が集まってくださり、目を閉じて、静かに「ふるさと」の演奏に耳傾け、皆で「きよしこの夜」を歌ううちに涙を流す人さえありました。かつての美しい光景を思い描き、大槌の復興を願う住人たちの強い思いがひしひしと伝わってきました。和やかな中、会は進み、真の神様にお祈りをささげました。


ティータイムでは、大震災の当初、炊き出しをした時にお会いした方と再会でき、共に喜び合いました。参加してくださった方々と、つかの間ではありましたが心の深みにある痛みの一部を伺うことができました。また、別の仮設でも聞いたことですが、「仮設の集会所では毎日のように様々なイベントが企画されていて、少しも暇なときはない。それらの集会に参加することで、独りで色々考えすぎて落ち込むことから助けられている」ということでした。『ボランティアが次々と訪問することは、静かな生活のお邪魔になるのではないか』と、危惧(きぐ)する思いもありましたが、「続けて訪問してくれることが励み、喜びになっている」ということを改めて伺うことができ、感謝でした。



午後4時に、大槌町ボランティアセンターへ活動終了の報告をしてから、新しく開所したNさんの事務所に案内してもらいました。震災以来、家族のように親しくさせて頂いているLさんは、地域の方々、特に心身の弱い方々のために日夜身を粉にして仕えておられます。最近NPOを立ち上げたNさんは、使命感に燃え、次の仕事へと急いで出かけて行かれました。地域の復興のために日々仕えておられる彼の後ろ姿は、「自分たちの町は自分たちの力で復興しなければ」という意気込みに溢れていました。そのような自立復興の働きの助けと励ましになるように、アガペーCGNも微力ながら継続してお仕えさせて頂きます。


夜8時に、宿舎に戻り、今回の活動全体をふり返り、反省と感謝の時を持ちました。


12月20日(木) 大槌町  東京

午前7時半に大槌町を出発し、途中、仙台を訪問し、一路東京を目指しました。

夜7時、無事に東京に到着。

今回も、メンバー選び、宿泊所の備え、訪問先の日程、集会内容など、全てにおいて神様の導きのうちに活動を進めることができました。それぞれの訪問先で、わずかであってもお互いの心と心が通い合うような良き交わりの時を持たせて頂き、これまでの継続的な活動の積み重ねを感じ、徐々に信頼関係が密になってきているのを実感しました。

同時に忘れてならないのは、「ボランティア格差」です。「ボランティアが集中する仮設住宅」がある一方で、「同じ地域で被災し、家族も失い、家も失い、仕事も失い・・・。しかし、まだ一度もイベントが来たことのない地域。誰も来てくれない・・・見放されていると感じておられる地域」が確かにあります。

アガペーCGNは、大きなことはできませんが、「地元に根ざした、小回りのきく、心と心がつながる支援」をモットーに継続支援をさせて頂いております。限界はありますが、最も寂しく、最も困難な、『自分はひとりぼっちだ・・・』と感じておられる人々の隣人にならせて頂きましょう。現地の各地域リーダーや行政と連携をとりつつ、アガペーCGNらしく☆

メンバーの健康も守られ、天候もしっかり守られました。

皆様のお祈りを心から感謝いたします!

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