今回は、「フラダンスチーム」です。服装も、身につけるものも、ハワイ風にアレンジして、楽しい雰囲気作り・・・。
仮設住宅の中には、やはり引きこもりがちになっておられる方々もまだまだたくさんおられます。今回も、現地で、地域のために身を粉にして仕えておられる方々の協力を頂いて、小さいながらそのお手伝いをさせて頂くことができ、感謝でした。
楽しいイベントなどがあると、普段家から出ることのない人たちも、「じゃ、行ってみるか~」と気分が前向きになるようです。一歩家から出ると、心にも幅が出てくるようで、無口だった方が、ぽつりぽつりと話し始められ、そのうち涙がポロポロと・・・、しかし、いつの間にか笑顔がチラホラ、そして共にお茶の交わりへ。私たちはずっと現地で共にいることができなくとも、地元のリーダーの方々が、「定期的に訪問してくれるのは本当にうれしい」「始めからずっと来てくれるのはあんた達ぐらいだよ」「忘れないでね」「また来てね」「復興はまだまだだよ」「これからが勝負」と涙をこらえて話してくださいました。フラダンスや歌など一流ではないけども、一緒に寄り添うことによって、笑顔が皆さんに戻ってくるのを拝見させて頂く度に、このためにアガペーCGNも必要とされていることをヒシヒシと感じました。
<9月3日(月)> 晴れ
朝、皆様に祈っていただき、見送られて一路東北へ。
午後、陸前高田キリスト教会の森田先生を訪問。森田先生は、穏やかな笑顔を浮かべて歓迎してくださいました。津波は、この教会のギリギリまで来ました。津波の直撃を受けた地域は、一見、広い草原のようにも見えますが、よく見るとそれは壊された建物の無残な姿でした。しかし、その中でさえ、流された家々の跡地に元気の良い草花が生えていました。
大船渡の宿に宿泊 ミーティングとフラダンスの練習
<9月4日(火)> 晴れ
午前 A特別老人ホームでのひととき☆
このホームは大槌町を見渡せる丘の上にあります。一緒に唱歌(赤とんぼ、夕焼け小焼け、月の砂漠)を歌いました。レイ(首飾り)をかけて賛美フラダンスをしました。また、風船ゲームも盛り上がりました。喜んでくださったようで笑顔が多く見られ、感謝でした。
午後 B仮設住宅で賛美フラダンス
みんなで一緒にフラダンスをしました。男性は「恥ずかしい。俺はやめとくわ。」と言いつつも、大爆笑しながら気分は少しだけハワイ!みんなの心がほぐれてきたところで、普段は物静かな隊員のEさん(70代男性)が何やらごく自然に行動開始。彼は、音楽に合わせて、客観的に見学されていた一人の男性に静かに近づいて行き、笑顔で首にレイをつけて彼に手を差し伸べると、2人で一緒に楽しそうに踊っているではありませんか☆何か通じ合うものがあったようで、2人が1つのように見えました☆他の方々も、大きな口を開けて笑ってくださいました。それぞれに、楽しいひとときを過ごせたようです。終了後、あるご婦人が「皆は楽しそうにしているが、今でも夜は泣いている。心の奥には今でも耐えられない事をいっぱい抱えているんですよ。・・・。自分が皆の思いで代弁をしなければ・・・。」との思いを話してくださいました。その方の明るく話してくださる姿を見ながら複雑な気持ちになりました。
続きまして、C保育園の幼い子供達とのひととき。お昼寝から目覚めた直後であり、予防注射をした子供もいて、何となくボンヤリして、『この人たちは何だろう』という顔をしている子が多かったように思います。
しかし、「どんぐりコロコロ」「大きな栗の木の下で」などを一緒に歌っているうちに元気が出てきたようでした。集団ゲームも楽しみ、「はくさい夫人」の絵本にじっと聞き入って、最後はお菓子のプレゼントに大歓声☆
夕方 D仮設住宅のある方を訪問した際に、明朝4時から私たちも関わっている団体から寄贈された定置網による初めての水揚げが行われることを伺いました。
これまでの復興のお手伝いがまた一つ実を結んでいることに感謝しました。
大槌町の高台から、町を見ながら復興を心から祈りました。
夜 大船渡の宿に戻りミーティング
<9月5日(水)> 雨
午前中、雨の中の訪問でしたが、E幼稚園の室内は木の香りが漂っていました。柱の木の枝には、木彫り(本物そっくり)のフクロウ、スズメ、リス等が子供たちを見守っています。「建物も園児も神様が守ってくださった。主を信じて信仰を持っていて本当に感謝でした。」と語る園長先生の言葉が胸を打ちました。子供たちが歌う子供讃美歌の声の愛らしい美しさに感動しました。
午後1時30分 大雨の中、F仮設住宅へ。大槌町では一番大きな仮設住宅で、山と山に囲まれた谷間に仮設住宅が段々畑の様に建てられていました。唱歌をしみじみと歌ってくださり、賛美フラダンスも一緒に楽しんでくださいました。ゲームは、大学生の司会者が「20歳になり私も国民年金を納めさせていただくことになりました」との挨拶により大爆笑!なごやかに終わりました。その後、皆で交わりの時を持ちました。「津波の後、足が不自由になりましたが、最近になってようやく一人で歩けるようになってきました。」と話されるお方、当時のことをポツリポツリとお話下さるお方・・・。大雨のために参加者は少なかったですが、その分、ゆっくりとお一人おひとりのお話を聞くことが出来、これもすべてを最善としてくださる神様のご配慮に感謝しました。
夕方 これまで毎回訪問してきた方に会いに行きました。
この方は、愛する大槌町の皆さんのために身を粉にしてご奉仕しておられる方々です。あちこちで「大槌町は先の見通しがまったくたたず、町民の数はずいぶん減った」という話を聞きます。この方々の家のすぐ側に教会が一つ建ちました。今まで教会が一軒もなかった大槌町に、今では、複数のキリスト教会ができました。また、キリスト教系の支援ベースもできてきています。
大船渡市の宿で宿泊
<9月6日(木)> 晴れ
蒸し暑い朝、東京へ出発。
途中で関係者から「大槌町で震災後初めて10トンの魚が揚げられた」という嬉しいニュースを聞くことが出来、感激しました!大槌町では、漁港も、網も、加工工場もすべて津波で流されたので、漁港関係の方々は他の地域に出稼ぎに行くケースが多かったようですが、ようやく、漁が再開できました!町全体の大きな喜びです。
東京までの道中、那須高原あたりから素晴らしい夕焼けを見ました。
西に沈む太陽を追いかけていく走行のため、随分長い時間夕焼けの茜色と雲を楽しみました。さらにその中に夕焼けの中に虹まで見ることができ、みんなで歓声をあげました。真っ赤に輝いた夕焼け空とパステルピンク色の虹の美しさに涙が溢れ、天地を造られた神様に「ありがとうございます」の気持ちでいっぱいになりました。神様のお造りになった自然のパノラマに感謝しつつ、夜8時頃全員無事に到着しました。
一面緑の雑草畑やビルの跡地に、ここ数ヶ月足を踏み入れた跡はなく、1メートル以上に伸びた草を見ていると、空虚感に襲われそうになります。しかし、一方で、その暗闇の中に輝く、まぶしい希望の光を感じました。「一年半の間にこんなにも伸びたのだ~。この町は生きている」という思いです。確かに、神様が命の息を大槌町にも吹きかけてくださっています。町の人々は少しずつ歩き出しています。続けて人々を見つめ、微力ではありますが、共に歩ませて頂きたいと熱い思いが湧いてきました。被災された方々が、ご自分の足でしっかりと歩き出し、真の平安と、沸き上がる喜びで満たされるよう、続けてお祈りしていきます。
再び訪問できる日を楽しみにしつつ・・・。
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