今回は、大槌町内の各所訪問で「‟お手伝いします”プロジェクト(日常生活拝見)」「‟お元気ですか”プロジェクト」と、先月の台風の被害で甚大な被害があった岩泉町の各所訪問に行って参りました。
出発前の一番の悩みは現地での移動手段でした。今回は、自転車とバス(本数が少ない)での各所訪問を覚悟していたのですが、現地で車を提供して下さる方が複数あり、本当に助かりました。
<9月26日(月)>
21時半頃の夜行バスにて池袋からいざ、大槌町へ。
3度、のべ30分ほど目が覚めましたが、頑張って無理やりでも寝ました。
<9月27日(火)>
8時半頃大槌町に到着。
まずは、先日天に逝かれた大切なAちゃん宅を訪問。家族の方たちにも会えて、ご挨拶できました。物資の搬送、炊き出し、畑仕事、イベントの手伝い・・・色々と一緒にやってくれた大切な仲間です。
その後、大槌町の3名と合流し、頼まれた保存食の物資を大槌町内で車いっぱい購入し、いざ、岩泉町へ。大きなことはできませんが、「(何もしないよりは)心を込めて精一杯今できる最善を」ということで、思いが一致し、2011年から共に心をつないできた町民の方たちと岩泉行きが実現しました。稲刈りを待つばかりだった田んぼも、地割れしていました・・・。
まずは、同行のBさんの大切な友人宅を訪問。
その後、岩泉で一番大きな避難所を訪問しました。全ての物資はここに集結されており、必要な人が1世帯1日1回のみ必要最小限でもらっていくシステムでした。ニーズは時期によって変わりますが、この時の避難所のニーズは「水と衣類は充分あるが、カップ麺やレトルトご飯、缶詰はすごく人気がありすぐになくなるので、物資としてほしい」とのことでした。確かにその通りの在庫状態でしたが・・・全く在庫がないわけでもなく、避難所に居る限りは温かい食べ物も食べれるようでしたので・・・3・11の教訓を思い出して、今回は地元にお住いの信頼できる方に託しました。在宅避難や一人暮らしの方、体の不自由な方で、本当に必要な人に届けてもらうように依頼しました。
次に大槌町の仲間Cさんの親戚の方が、今も避難所生活されていたので、果物などを届けてきました。「5名で暮らしている」と言われた部屋はすごく狭かったですが、避難所に居れば食事は毎回良い物を食べられるようで良かったです。
特に被害の大きかった安家(あっか)では、地元の人から「牛を飼っておられる方は、世話をしなければならないので、安全とは言えないが、被災した付近に避難所を設けてニーズに応えている。牛乳やヨーグルト製造の工場がこの台風で大きな被害にあったために、毎日、牛の乳を搾っては、捨ててる。」とのことでした・・・。
次に、同行のDさんが、この1ヶ月で3度ほど泥だしをしていましたが、その現場を説明してもらいました。今なお、1階部分に泥が入ったままの家も沢山ありました。被害状況としては、まるで3・11のようでした。
そんな中、文化祭の振り替え休日を利用して名門花巻H高校の野球部の110名が通いで2日間「泥だし」に来てくれていました!
やはり「若さパワー」でかなり作業は進んだようですが、まだまだやることがあります・・・。来週も大々的に泥だしのボランティアを募集しているとのことです。多くの家は、腰を曲げた高齢者数名で「泥だし」や「荷運び」をされていました・・・。
道中、初期の頃から助けて下さっているEさんとも合流でき、色々な話を伺えました。「今回は山津波と川津波の両方が起こったので、どこに家を建てたら良いのかわからない。この地を去りたくないし。道も、川の水で削られて流されたし・・・がれきや道路の亀裂で助けに行きたくても道がなかった・・・」とのことです。
大槌町に20時頃戻り、地元の人たちと復興食堂で夕食。23時頃就寝。
<9月28日(火)>
朝5時半に漁港に行くと定置網の船が戻ってきました。
養殖の人たちも既にお仕事されていました・・・皆様早いです・・・。顔を出すと名前を呼んで大歓迎され、3時間程お手伝いさせて頂きました。ホタテの赤ちゃんを初めて見ました。ビュ~ン、ビュ~ンと元気に泳ぎ回る姿に驚きました。すごかったです!
F幼稚園に朝発見したカニをもって行くと先生たちにも子どもたちにも大歓迎されました。「年長さんはちょうど震災の歳で記憶はなく、年中さんと年少さんは震災後に生まれており、カニを見たこともない子がほとんど。滅多にない機会~」「震災前は夏休みが終わると皆海焼けで真っ黒だったけど、最近は、家のプール焼け程度・・・海に行く子たちの数は随分減りましたよ」とのことでした。初めて見るカニに目を大きく見開いて唾(つば)を飲んでいる子、「知ってる。僕大丈夫」と手で捕まえてる子、「せんせ~わたしもやりたい。とって~とって~(つかまえて手に乗せて)」とお願いする女の子、「キャ~なんじゃこれ?!怖い~」とわざとおどけてはしゃぐ男の子数名・・・反応は様々でしたが、どの子も興味津々でした。その後、カニさんは、海に返しました。
その後、地元の方たちと合流し、アガペー農園へ「栗拾い」と「野菜の収穫」に行きました。大きなデンデンムシを発見し、子どもにあげると大喜びでした。
お昼には、超多忙のお母さんにも会えました(すご過ぎます)!お父さんにもご挨拶し、昼食を頂きました。おふくろの味健在でした。素材の味を生かして栄養バランス満点の食事です。
その後、G旅館の働き者の女将さんと大将に会いに行きました。手作りのお菓子を用意して待っていて下さり、すごくうれしかったです。お土産の手作りお菓子も沢山持たせてくださいました。すごく美味しかったです。
そして、次の訪問先に行こうとすると・・・ものすごい人だかりがあちこちに・・・。「あの方」が大槌町に3日間来られるということで、ものすごい厳重な警備と交通規制があり、「あの方」に一目お目にかかりたいと願う人たちが沿道で2時間前ぐらいから待機・・・。機動隊、警察官たちも全国から集結していました。空からも海からも防犯カメラも・・・隊員達もこのようなことは初めてでした。
交通規制の合間をぬってH仮設に訪問。再会を喜んで下さったIばあちゃんが「今朝、もらった巨大ホタテだ。全部あげる。水揚げされたばかりだぞ。新鮮だぞ。」と・・・殻付きのホタテ10個を袋丸ごと突き付け、隊員の目が点になってると、「やったことないのか?しょ~がないなあ。特別に食べれるようにやっからバターで焼け」と言いながら、慣れた手つきで、ホタテを身だけにしてくれ助かりました。宿の皆さんと2個ずつ分けて頂きました。すごく美味しかったです!
夜は、宿の子ども達によるマジックショー大会を1時間。「アガペーCGNで数回訪問しているのカイクさんの手品を見てからすっかりはまって研究している」とのことでかなりの実力でした。すごく楽しかったです。
その後、事務作業・・・。23時過ぎに就寝。
<9月29日(木)>
夜中から大雨。宿の子ども達と一緒にデボーションをして、一緒に祈って、一緒に朝食を一緒に食べ、途中まで登校の様子を見てきました。ちょうど9月26日から新校舎に変わったばかりで、今までの楽しかったバス通学から片道約1時間の徒歩登校・・・しかも、校舎が高台に建てられているために、行きは急な坂を上っていかなければなりません。
朝の8時に宿を出発し、J仮設に向かおうとしたのですが、この日も「あの方に一目お目にかかりたい」と願う町民たちと警備の人たちで、町内がものすごい事になっていました。J仮設に行く途中、(普段は歩いている人はほぼ皆無なのに)多くの人たちが、沿道のベストポジションを狙って、そわそわと動き回っておられました。J仮設に訪問に行くと「○○様に会いに行きたいけど、雨は降ってるし、水たまりもあちこちにあるし、おらたちの足では行けない。車さ乗せてけろ。」と、複数の方に声をかけられ・・・その地域の警察が指定した場所まで送迎・・・でも、おかげで、なかなか会えなかった町の人たちと、のべ2時間の待ち時間にお話することができました。
その後、K仮設を訪問。忙しいLさんにも奇跡的に毎回一回目の訪問で会えるから感謝です。震災後、自分の家を仮設住宅の場所として町に提供し(大槌町内には住宅を建てるのに適している場所がほとんどなかった)、ようやく土地が戻ってきたので、自分の家を建てることができたようです。高齢でかなり弱っているお母さんに「1日でも良いから、自分の家さ、入れてやりたい」という願いを1年ほど前に語られていましたが、間もなく完成。今回は「あと5年は楽しく生かせてあげたい。」と語っておられました。
昼食はM商店で頂きました。体に優しく、良い味で、疲れが一気に吹き飛びます!
午後は晴れました。近所の子ども達が楽しみにしていた「じゃがいも掘り」決行。本当は、「雨が降ったら畑に入らない」「土が乾くまで芋掘りはしない」というのは畑仕事の鉄則だそうですが、「一人1つずつでも良いから楽しみにしている子どもたちの為にお願いします」と懇願すると、アガペー農園の代表の方がOKして下さいました。ちなみに、アガペーCGNで4月に植えたメークインの収穫でした。子どもたちは、芋掘りをした後、草取り、虫取り(コオロギ、カマキリ)、トンボとり・・・大喜びでした。おやつは、昨日拾った栗を湯がいた物でした。美味しかったです!
帰りに良く立ち寄るN仮設で休憩して帰りました。夕焼けがすごくきれいでした。「いつでも来て下さいね。シャワーもあるし」「コーヒー飲みに来て」といつも言ってくださいます(笑)。アイスクリームまで出して歓迎して下さいました。
帰ると、子どもたちは宿題。大人は収穫したじゃがいもで夕食作り!近所の人も食べに来て下さいました。新鮮で本当に美味しかったです。「アガペーさんのために朝、鮎を釣ってきました」という方も居られ感謝!来たくても都合で来れなかった人たちには、翌日お届けました☆
22時半就寝。
<9月30日(金)>
2時10分起床、2時30分出発。星がビックリするほどきれいでした!満点の星空で、出航まで星を見ていたら流れ星も数回見ました。
乗組員の中に若い方も増えていたのがうれしかったです。段々と陽があけていく空の様子がすごくきれいでした。
漁師さんたちと一緒に朝食を食べ、次はホタテの養殖の手伝い1時間半へ。「ばあや」達、本当に働き者です。ホタテの作業が終わったと思ったら牡蠣の作業・・・。黙々と働いておられます。
その後、数軒訪問し、通行規制のない道をしっかりと考えて選び、厳重な警備の合間をぬって、宿へ。昼食を食べ、午後祈祷会(前半1時間)に合流。
そして、「保存する?役所」を通過して、いつもの高台へ。毎月のように変化する景色・・・随分と変わりました・・・。
そして、数軒訪問。震災までは、ひたすら働いてきた人たち、盆栽が趣味だった人たち、仲が良かった近所の人たちと家が遠くに離れたために滅多に会えなくなってしまった人たち・・・仮設で定年を迎えた人たちにとって、狭い空間の中でどうしても引きこもりがちになる中、それぞれに趣味をもって健康に生きるように努力されています。絵、手芸、工作、文通、山歩き・・・。
あるお宅の訪問時にも、「辛いか?大丈夫か?おらだって元気そうにしてるけど、辛い時もある。一緒だよ。泣いていいよ」などと電話で応えておられるいつも元気なおばあちゃん。時々、このたぐいの電話があるらしいです。人にそう励ますばあちゃんの生の声。「みんな孤独なんだよ。おらだって、夜、一人になったら、目からダイヤモンドが流れて来る・・・でも負けたらダメ。生かされた目的が何かあるはずだから。おらの親戚・友人も沢山流れた・・・あの人たちは良い人たちだった。誰からも喜ばれる人たちだった。おらが流れたら良かったのに・・・。泣いても良い。でも、思いっきり泣いたら、前に進まんとダメだとおらは思う。」「人生波あり谷あり。震災があったから辛いことも多い。流れた家には沢山の思い出の宝が山程あった。でも、全部流れた。何も残ってない。何も持たずにスリッパで逃げただけ・・・。だけど、震災のおかげで、全国の赤ちゃんからお年寄りまで何千人もの人たちがおらたちに会いに来てくれた。アガペーさんも77回目。こんな出会いは、人間が求めてもできないよ。今のおらの宝はここさ(心)にある」・・・。まだまだばあちゃんとお話してたかったけど、今夜のバスで帰るし、まだ会えてない人たちもいるので・・・次回また来ることを約束してハグ、握手。80歳を超えてるのに、ものすごい力でした。真っ暗な中見送る姿はすごく寂しそうで、私も泣きそうになりましたが、笑顔で「また来ます。ありがとうございます!」と車で去って行きました。
また、95歳のおじいちゃんはしっかりした口調で「皆さんが会いに来てくれるのがうれしい。1回だけ来る人が多いよ。それはそれでありがたいけど、アガペーさんは77回。たいしたもんだよ。初めの頃からの写真を眺めながら「覚えてますよ。全部覚えてます。この時も、この時も、アガペーさん一緒でしたね。私はね、手品と太鼓が一番心に残ってる。」とのことでした。体が弱って病院含め滅多に外には出られないので訪問しないと偶然には会えないです。家族の方から「この人はボランティアさんが命なんです。ボランティアさんから優しい言葉をかけてもらって元気になってるんです。来週は、またボランティアさんが来られるので、来週までは生きれるでしょう。ボランティアさんが来なくなると一気にボケると思います。帰る時には、次いつくるか言ってくださいね(笑)」と言われました。別れ際には、私の手が折れそうなほど気合を入れて握手してくだいました。
その後、数軒訪問し、夕食を食べにお母さんの所に。またしても、超多忙のお母さんが出て来てくださり、ゆっくりおしゃべりして下さいました。次々に食べ物を出してくれ、最後には小鎚(大槌町内)でとれた松茸と栗までお土産に持たせてくれました・・・。食事中、テレビでは、「1ヶ月を迎えた岩泉の特集」の特番が放映されていました。
そして、宿に戻って荷造りし、一瞬祈祷会に合流し、バスに飛び乗りました。
色んな人との出会いを振り返り、感謝でいっぱいです。
<10月1日(土)>
6時半に無事池袋到着。
頂いたものを今回行けなかった隊員たちにおすそ分け。
皆さんの愛がいっぱい詰まった野菜やお菓子や手芸品・・・感謝でいっぱいです。
さすがに、早く食べた方が良いものだけ料理して早速試食。抜群の間違いのない松茸の香りと歯ごたえでした。栗は毎年自然にアガペー農園周辺にできるのですが、虫食いがほとんどなく美味しかったです。
夜に大槌町の方から海産物が宅急便で配達されてきてぶったまげました!!!
今回もアガペーCGNのモットーに沿った、小さいけれども「小回りの利く」「心と心がつながる」「地域に根差した」活動ができたと思います。
本当にただ顔を出すだけで喜ばれます。初めの頃から77回。今までの関係作りがあったからこそ、今回のチームも豊かに祝福されました。
続く、第78次にバトンを渡します。
※岩泉の泥だし本当にボランティアが不足しています! お祈り下さい!
そして、「我こそは」と思われる方は声をかけてください。
ご紹介いたします。
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