九州等で地震が続く中、「予定通り」あえて東北に向かいました。心の中は、普段に増して、目の前の人々だけではなく、いつも他の地域のことも気になり、世界の平和を祈りつつの支援活動となりました。今回は、大槌の多くの人々から「熊本のために自分たちができることはないか?」と、現地のニーズを真剣に、かつ適切に情報収集し、有り余る中からではなく、日常の必要な生活費の中から自分たちの力以上にささげておられる姿に感動しました。「自分たちも5年前に助けてもらった。当たり前のことだ。」「困った時はお互い様だ」「何もなかった時に全国の皆様、海外の方から本当に助けられた」・・・との「分かち合いの心」「受けた愛を、今度は、自分より困った人に与えていくという愛の循環」を目の当たりにして大感激。
今回のおもな活動は、「新潟県の観光特使」「ゴスペルジャスシンガー」のAさんの「ゴスペルコンサート」と「お茶っこ」と、初期の頃から関わってきている「各所訪問」でした。基本は東北滞在わずか5日の小さな援助隊ですが『今できるベストを捧げさせて頂きたい』と切に願いつつ、第75回まで回を重ねてくることが許されました。今回も予定を遥かに超える「出会いの祝福」「再会」がありました。そのほんの一部をご報告致します。
4月17日(日) 雨のち晴れ 超暴風
隙間が全くないぐらいに車いっぱいプレゼントを積み込み、12時30分出発。
まずは、福島県郡山市の大切な仲間達を訪問すると、学識者たちによる除染の実践的な講習会が行われており、最後の20分ほどでしたが参加させて頂けました。
手作りケーキとコーヒーも美味しかったです!
その後、支援団体Bの館内見学。数週間前に、プレゼントさせて頂いた愛着のある椅子や机を見事に組み合わせ、素敵なカフェスペースが出来上がっており感動しました。今回のプレゼントも喜んで頂けたようでうれしかったです。
その後、一気に岩手県大槌町に向かいましたが、道中あまりの台風のような暴風に、吹き飛ばされそうでした。途中で夕食などを済ませ、宿には22時半頃到着。レポーター以外は15分以内に就寝。しかし、夜中も暴風はさらに強まり、家ごと吹き飛ばされるかと思うぐらいの勢いで7回ほど目を覚ましては、その都度、「全ての人が災いから守られるように」「心に平安があるように」祈りました。
4月18日(月) 晴れ 強風
連日5時起床、6時半朝食、7時半デボーション、8時出発でした。夜中の暴風は落ち着き、強風程度になっていました。晴天でしたが、『この暴風の中、コンサートとお茶っこに来て下さる方は、ほどんどおられないだろうなあ・・・』と思いつつも、たとえお一人でも来て下さった方に精一杯のことをさせて頂こうと心新たに出発。
まずは、町全体を見渡せる高台に上がりました。『進んでないようで、確かにかなり進んだ復興。一方で進んでいるようで、実際に住めるのは約30年後・・・』まだ、建物を建てるための盛土をしている段階で、堤防もできていません。そんな中、人々は確かに生活されています。私たちの一言一言が失礼にならないように祈りつつ、初期の頃からのことを思い巡らして毎回『同じ場所』にまずは立ちます。お一人お一人の心は「斑(まだら)」です。
次に、港へ向かいましたが、強風のために漁をしておられる方も、加工作業をされておられる方もどなたもおられませんでした。漁と高波は大いに影響があります。
昨年、新設されたコンクリートの桟橋(?)は、「完成してすぐの暴風による高波で、いとも簡単にズレてしまった」とのことでしたが、毎月拝見する毎に、そのズレは大きくなっており、今回は隊員の手が入るぐらいの隙間までできていました。地盤沈下や色々なことが影響しているとは思うのですが、なかなか人間が思うようにはうまくいかない現状を目の当たりにしております。復興工事にも「天からの知恵」が与えられるようにお祈り致しました。
その後、C商店に立ち寄り、「お茶っこ」用に仮設のおばちゃんたちが皆大好きな「山田せんべい」と「耳かりんと」の買い出しに行くと、なんと早くも「お母さん」と再会が実現!とても忙しいお母さんなので、なかなか会えないのですが早速会えて幸せ☆
そして、D仮設の集会場で9時にラジオ体操をご一緒にさせて頂きました。その後、音響をセッティングして、10時から45分間のコンサートに向けて、9時半には地域の方々を約束の場所に車でお迎えに向かいました。強風の中の送迎でしたので大変喜んで頂けました。ボランティアも訪問も集まる機会も少ないので、久しぶりにお会いされた方々で「うぁ、元気?どうしているの?どこにいるの?」などと、近況報告されている姿が多かったです。「お茶っこ」も素敵な時間が流れて行き、いつもの「歌っこ」と「踊り」も披露して下さいました。あっという間に時が経ち、12時前となりました。
その後、E商店で昼食。何を食べても美味しかったです!話題は「九州の地震」とお互いの近況。毎月、立ち寄るのが楽しみです。
午後は、13時半~F仮設集会場で「コンサート」と「お茶っこ」。ここでも、町民同士、再会を喜んでおられました。近くに住んでいても、なかなか会う機会がないそうです。大きなことはできなくても、「場づくり」「きっかけづくり」まさにアガペーCGNが理念としている「小回りの利く」「地域に根差した」「心と心のつながる」支援の実践をさせて頂けていることに感謝でした。
その後は、G保育園訪問。訪問を大変喜んで下さいました。子どもたちも、元気でした。
そして、H学童で「コンサート」。普段は、それぞれがバラバラに遊んでいても、一つのことでみんな一緒に過ごすのが難しいようですが、前回に引き続き今回も「花いちもんめ」でばっちり一つとなれたようです。歌っこも元気いっぱい、大きな声で歌ってくれました。
「君は愛されるためにうまれた」は何度も、色んな人が歌ってきましたが、今回は口ずさんでいる子たちもチラホラいて感動しました。最後に、子どもたちから感動的な歌のプレゼントもいただきました。
17時過ぎ、小腹がすいたので復興食堂Iで焼き鳥をつなぎで食べました。元気が出ました。外は、きれいいな夕焼けでした。
そして、19時からJ旅館(仮設)でコンサート。
今回は、I旅館で宿泊はしませんでしたが、『女将と大将の為だけでも歌いに行きたい』との気持ちを伝えたら実現となりました。
お客様も大変喜んで下さいました。女将からあの噂の「おおづちサケ餃子」を頂きました!
そして、閉店3分前にスーパーに飛び込み、半額になったお寿司などを買い込み、宿にて夕食。疲れた体を癒すためには、食べ物は重要です。新鮮な魚介類、海鮮、野菜など、全てが美味しく、安く、香りも良いです。スーパーに並んでいる「お寿司」でさえも、獲れたてで、普段食べているものと全く味もネタの分厚さも違いました。どの握りも絶品で、料亭の味なのに半額なので250円以下です。
夕食後、宿で子どもたちと遊びながら軽作業。90分程楽しく過ごせました。22時就寝。
4月19日(火) 晴れ
5時半起床、6時半朝食、7時半デボーション。
まずは、港に向かい、ワカメの作業風景を見に行きました。
その後、K仮設のラジオ体操に合流。今回はJ地域で「コンサート」や「お茶っこ」をあえて企画しなかったのですが、どこかで顔を出すつもりでした。私たちの訪問を知らなかったので、皆さん大喜びで次々と駆け寄ってくださいました!「わぁっ!!!なんで!うれしい!」「熊本が大変だから、もう『アガペーさん』さえも、しばらくは来れないと思ってた!」「こちらの大変さ、心の痛みをなおも大切にして下さり、このタイミングで来てくれたことが本当にありがたい。」「ひょっこり、本当にいつでもいいから顔見せてくれ」「震災から5年もたてばほとんど誰も来ないよ。しかも、九州が大変なことだ・・・おらたちも九州のためにも何かしたが、元気が出ない。おらたち、皆から忘れられていくんだろうな・・・。九州が大変なのはわかるけど、おらたちを忘れないでほしい」「おらたちもがんばっぺしね」「生きてたらまた必ず会える。また、来てね!」「皆さんのおかげで今があります。毎日感謝してます。」「九州の為に『おらほ』も何かやりたい」と多くの方が涙ぐんでおられました。1時間ほどでしたが、色んな方たちとお会いできました。あまりの感激に、顔を見るなり、名前を呼んで、駆け寄り、ハグをしてくる95歳のおじいさまもおられ、隊員の一人はこのことが、今回一番印象的だったそうです。
その後、L幼稚園を訪問。すごく大変だった子たちも、毎年確実に成長しています。「えっ、○○ちゃんですよね?!」。
感動しました!
そして、10時半~M障がい者施設にて45分間のコンサート。前回で男女問わずAちゃんのファンが沢山でき、皆さん目が釘付けになっていました。皆さんで様々なジャンルの春の歌を大きな声で大熱唱☆「また来てね!待ってま~す!」と何人もの方から声をかけられました。
「来月は、和太鼓のす~さんたちが来てくれるんですよね」との喜びのお声も頂きました。待って下さってる人がこんなにも多くいて下さるのは本当に感謝です。
そして、14時から45分間のコンサートに向けてO高齢者施設に13時10分入り。まさかの方にも意外な場所でお会いできました。
職員の方たちから「最近は、ボランティアもほとんど来ないし、20人程かな?」と言われていたのですが、時間になると80名程の方が駆けつけて下さり、感謝でした!
その後、じゃがいも(男爵6Kgとメークイン5Kg)の種を購入して、Pさんたちと一緒に畑に植えました。7月末に収穫だそうです。久しぶりの畑仕事でしたが、楽しかったです。
そして、Q仮設とRさん宅、S商店を訪問。釣り名人(趣味)のRさんは、今回も今日獲れた魚(イワナとヤマメ)をおすそ分けして下さいました☆
いつもながら美味しそうです!
そして、1月に天に行かれたTさんの写真の前で奥様と良き時を過ごさせて頂きました。奥様の口からは「この家族に入れてもらえて本当に感謝だった。いっぱい学ばせてもらった。」が連発。「介護の心」「感謝の心」「真の家族とは」・・・毎回、色んなことをこちらが学ばせてもらっています。そんな奥様が最近、耳に聞こえてくる歌は「朝はどこから」だそうです。
1 朝はどこから来るかしら あの空越えて 雲越えて
光の国から来るかしら いえいえ そうではありませぬ
それは希望の家庭から 朝が来る来る 朝が来る 「お早う」「お早う」
2 昼はどこから来るかしら あの山越えて 野を越えて
ねんねの里から来るかしら いえいえ そうではありませぬ
それは働く家庭から 昼が来る来る 昼が来る 「今日は」「今日は」
3 夜はどこから来るかしら あの星越えて 月越えて
おとぎの国から来るかしら いえいえ そうではありませぬ
それは楽しい家庭から 夜が来る来る 夜が来る 「今晩は」「今晩は」
その後、ジョイフルハウスでペルー人による「第二回 ペルー夕食会」が振る舞われました。どれも美味しかったです!どれもこれも今までに食べたことがない斬新なのにどこか懐かしく、美味しいものでした。いつかは、私も作ってみたいです。近所の方を交えての夕食会は、あっという間に4時間が過ぎました。昨夜頂いた噂の「おおづちサケ餃子」も頂きましたが、絶品でした!
地方発送も可能なそうです。サケのミンチがぎっしり入った餃子でした!
イワナとヤマメも絶品でした!皆様の愛に感謝でいっぱいになりました!
他にも訪問致しましたが、各所で想い出話や現状、今後の展望のお話で非常に良い時を過ごせました。
4月20日(水)
5時半起床、6時半朝食。
子どもたちから素敵なプレゼントを頂きました!この「ガチャガチャ」は、家族で力を合わせて作ったのこと。カプセルの中からは子ども達からのラブレターが入っていました☆感激いたしました。
7時半デボーション。掃除をして8時半出発。
まずは、やはり、港・加工場へ。メカブの千切りの機械・・・すごかったです。
その後、U仮設のラジオ体操に合流。またしても、多くの人たちに愛され、良き時を過ごさせて頂きました。
体操の後、ある方が、空き缶のプルタブを集めておられたので聞いてみると、「昨日は花見だったから空き缶が沢山ある。これを集めて車椅子をプレゼントするんだ。捨てればゴミだが、集めれば車椅子になる」「一人ひとりがちょっと優しい心になれたら、ゴミも少しは減ると思うよ」「皆様のおかげで今の私があります。私も誰かの役に立ちたいんです。大きなことはできませんが、こんな『ばあちゃん』でもできることがあります。」と語って下さいました。私たちもお手伝いすると、わずか10分ほどでこんなに沢山集まりました。
Vさんは、津波で全てを失った某仮設の最長老です。そんなVさんの元にある本が戻ってきました。それが「懐かしの昭和」「演歌ヒット曲集」です。それは、以前、カラオケに興味のないVさんが友人にあげた本でした。あげたことも忘れていたようですが、震災後、全てをなくしたことを知った友人が、Vさんに返した本です。Vさん曰く「自分のもっていた物は全部流された。でも、人にあげたものだけが残った」・・・含蓄のある言葉でした。
9時半にW地区に到着し、コンサートのセッティングを済ませ、再び海へ。ひょっこりひょうたん島まで行ってきました。
そして、10時半からの「お茶っこの会」で約50分間、コンサートの時間を頂きました。仮設の方も在宅の方もご参加くださいました。お昼も一緒に頂き、その後は、カラオケの歌声プレゼント☆
14時半からX高齢者ディサービスで、45分間のコンサート。アンコールも出て、大変喜んで下さいました。利用者さんのお誕生会も一緒に祝わせて頂きました。
その後、Y石油に立ち寄り、山越えで風車を見ながら花巻入りしました。展望台からは、雪山や大槌湾が見えました。いつも大槌町から、見ていた風車を目の前で見ると巨大でした。疲れた体を大自然とスーパーでの夕食と温泉で癒して頂きました☆
4月21日(木) 晴れ後雨
宿を出発し、花巻の「新渡戸記念館」に自費で1時間見学してきました。わずかな時でしたが、すごく感動致しました。花巻は、温泉だけでなく、宮沢賢治さん関係の施設などがたくさんあります。観光も、食事も復興支援ですので、夏休みにでも来られると良いかもしれません。お子様から高齢者の方までお楽しみ頂けます。
その後、初期の頃から岩手の復興支援に関わってきている大切な仲間たちに会うために盛岡に移動。3ヶ所訪問で数時間貴重な時を過ごすことができました。つかの間の時でしたが、お互いに励みになりました。
帰路、福島では雨が激しく運転も心配しましたが、不思議に降りる度に雨がやんでおり、感謝でした。21時半頃戻りました。お祈りありがとうございました。
2011年の3月から今日まで、色々な時にお互いに励まし合ってきた人々との再会は毎回感動です。「時間」で話を切るわけにもいかないので、各所訪問は、あえて予定を立てず、しかし、ご迷惑にならないように空気をよみながら、その時々のインスピレーションで行動していましたが、アポなしにも関わらず、超多忙の会いたい方々にもばっちりあえてうれしかったです!「次回は○○日頃、町内をウロウロしています」と毎回声をかけて帰るのですが、目の前でメモをとられる方もいて下さり、期待感が伝わってきます。「人生は思い出づくり」・・・今回も本当にそう思いました。
今回あちこちで「熊本のためにおらたちも何かしなければ!」「5年前にあれほど全国の人たちに助けられたんだから、今度は恩返しだ・・・」などの声を皆様の方から伺うことができ、感動しました。実際に自治会として「1000円でも、1円でもいいから、一回入れて終わりではなく、何度も気になったらその度ごとに自分気持ちを入れましょう!」と募金箱を設置し、町を通じて支援することを決定し、お茶っこの会で告知されておられる地域もありました。
ワカメの作業もあと数日で今年は終わるようです。毎日3時間半ほどの睡眠・・・休みなし・・・「5時間寝てみたい」・・・との声も聞かれました。皆さんの作業風景を見ながら、いつもの「『働く』とはこういうことを言うんだよな~」とモデルを見せてもらっています。本当に皆様働き者です。そして、自分のことよりも人を大切にされる方が多いです・・・!学ぶことが沢山あります。
次回は5月29日(日)~6月2日(木)和太鼓チームが東北に向かいます。
喜びをもって、それぞれ置かれた場所でできる愛の奉仕をさせて頂きましょう。
九州のためにも共に祈って参りましょう!
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