今回はプロのヴァイオリニストのOご夫妻を含む男3名、女2名で、各地を訪問させて頂きました。
2月16日(月)
東京を朝出発し、寒さの心配もなく守られて19時に大船渡の宿泊地に到着。明日からの、打合せと練習、また仮設での「お茶っこタイム」の仕込みをして備えました。
2月17日(火)
曇り空の中、あまり寒くはない朝、出発直前に震度3の地震があり、津波注意報が発令、サイレンが鳴り渡りました。もしかすると大槌町迄の途中で通行止めがあるかもしれないとの情報をききつつ出かけました。途中の山沿いの道ですれ違う車は何時もとかわらない通勤風景の様にも思わされましたが、駐車場ではびっしりと沢山の車が停められていて、町を通り抜ける時は人が全くいないのに気が付き、不安な気持になりました。復興道路などの仕事の方々は山から心配そうに海を眺めていました。
そして無事に大槌に到着。最初の訪問地、A仮設団地集会所に行きましたが、大槌町では避難指示が出ており、集会所のスタッフの方々も、これでは出て来ることが出来ないので暫く様子を見てはどうかと勧められ、待機しました。そういう中に予定時間になると、それでも一人の方が来られました。その方は、『一人で自宅にいるよりも良い』という思いで出てこられたそうです。この方は最近、この仮設に移って来られたとの事で、現在も仮設から仮設への移動があるようです。その方は一人なら帰ろうかしらと言っておられたのですが、最後まで残って下さいました。その内津波注意報が解除され、仮設スタッフが1軒1軒声掛けして下さったようですが、人々は中々出て来られません。私たちも仮設を少し周ってみましたが、人の気配もなく、入居者自体が減り、日中外に出る方も多くなったのだと思いました。しかし玄関におられる方が一人おられたので声をお掛けすると、後で来て下さいました。バイオリンの演奏に合わせて一緒に歌い、「愛してくれてありがとう」というパペット劇に見入って頂き、昨夜仕込んだ、お汁粉と一夜漬けでお茶をしながら、皆さんとお話をする事が出来ました。そして帰りには、今日は久しぶりに大きい声で歌いましたと、喜んで帰って行かれました。皆さん笑顔で話しをして下さいますが、4年経ってもまだまだ緊張と不安の中にある被災地の現状を覚えました。集会所の隣にある商店とは交わりがあるので、ご挨拶をして、次の訪問地に向かいました。